うわついた指の記憶(1) ページ25
夜の帳が下りていない頃、治崎廻と夜野Aは、自分たちの家に帰るため、並んで帰路に就いていた。
「治崎の個性でブッ飛ばされた奴の顔見た？めちゃくちゃ間抜け面だったよ！」
「……随分余裕があったんだな。最後はお前がやれば良かった……。お陰で服が病人の血で汚れてしまった。本当に最悪だ。」
Aが愉快そうに笑ってそう言うと、治崎は顔を顰めてそれに返した。治崎は潔癖症であるが故に、己の汚れた服を見てそう言ったが、Aはまた愉快そうに笑うだけだった。「証拠残すなって言われたから、汚れた服を着てないといけないけど、一般人が今の治崎を見たらどう思うかな？」そう言うAの服は土などの汚れしかなかった。「病人にどう思われようが知るか」
治崎は、死穢八斎會の若頭だ。Aは若頭補佐だが、敬語も使わずまるで友人のように治崎に接していた。治崎は厳しい性格だが、Aの敬語については特に何も言わなかった。それはひとえにAに甘いからである。
「あ！猫だー」
Aは塀に登る猫を見つけると、立ち止まり、猫に向かって手を伸ばした。
「おい、やめろ」
治崎も立ち止まり、Aを睨むと、猫は治崎に向かって威嚇したあと、塀の向こうに消えてしまった。
「治崎威嚇されてんじゃん！」
ぶはっ、とAは噴き出し、腹を抱えて笑った。治崎はそれを無視して、再び歩きはじめた。
「ごめんごめん、拗ねないでよ！」
Aは治崎を追いかけると、ポン、と治崎の右肩を叩いた。だがすぐに「猫追いかけてくる！」と猫に続いて塀の向こうに走り去った。
肩を叩かれた治崎は、何かを感じ入るように、微動だにせず立ち止まっていた。
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ゆう(プロフ) - オバホ好き、、優しいんだろうなって常日頃思う (2022年8月29日 17時) (
レス) @page26 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 小川優さん» そう言ってもらえて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年8月15日 3時) (レス) id: f378124263 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - 全部重ためだけど短いからブルーにならずに読めていい!!! (2022年8月14日 1時) (レス) @page24 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 真昼さん» だいたい月1で作品を書いているので、いつになるかは分かりませんが続きます。 (2022年8月5日 16時) (レス) id: f378124263 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 続きますか？ (2022年7月22日 0時) (レス) @page24 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ | 作成日時：2021年11月23日 20時
