とある男を探しています ページ15
私の前から、世界から、燈矢が居なくなったのはいつだっけ。
燈矢が居なくなってからきっと何年も経って、私はすっかり大人になってしまった。
(今でも貴方を探してるなんて言えないな)
燈矢が居なくなったいつの日からか私の世界は真っ黒に染まった。
燈矢が生きていることを信じて、誰かから否定されようと探し続けた。
あの頃の私はまだ子供で、幸せな家庭で生まれ育ったから、燈矢がなぜあんなに苦しんでるのか理解出来なかった。
正直に言うと、今でも出来ない。あの頑固者は、つまらない意地で生きていたんだと思っている。
俺を見てくれとか、親父が俺に火を付けたんだとか、隣で特訓を見ててずっと怖いなって思ってた。
「燈矢」
「なんだよ」
「今日はやめようよ…もう暗くなってきたし」
「じゃあさき帰ってていいよ、俺はここで特訓続けてるからさ」
「燈矢……」
結局あの夜は暗闇が怖くて、燈矢に泣いて縋って一緒に帰ったんだっけ。燈矢は面倒くさそうな顔してて、最終的に折れてくれた。
過去のくだらない話を思い出して苦く笑った。
あの頃に戻りたいな、あの頃に戻れたら、燈矢を変えられたのかな。
今となってはもう分からないけど、だけど貴方を探すのを諦められないでいた。
辺りはすっかり暗くなっていた。
ごう、ごう
何かが、焼ける匂いがする。
(火事？)
「ゲホッ」
辺りに漂う焦げ臭い匂いに咳き込む。
なんだ、なんなんだ、この何かが焼けたような匂いは。
路地裏からだ、路地裏から、何かの匂いがする。
青い炎が、路地裏から見えた。逃げなきゃ、逃げなければ。頭の中でそう理解していても、足が動かなかった。
足が、路地裏の方へ進む。
何かを、何かを、
彼の炎は何色だっけ
「…A」
「…燈矢？」
路地裏から出てきた男に、彼の面影を感じた。自分の名前を呼ばれ、何の疑問も感じず、彼の名前を呼んでしまった。
男の口がにぃぃ、と歪む。
お前なら分かってくれると信じてたよ、と口が動く。
分からないわけ、忘れるわけがないじゃないか。
忘れたくないから貴方を憎んで恨んで呪うように愛をなぞり続けたんだよ
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ゆう(プロフ) - オバホ好き、、優しいんだろうなって常日頃思う (2022年8月29日 17時) (
レス) @page26 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 小川優さん» そう言ってもらえて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年8月15日 3時) (レス) id: f378124263 (このIDを非表示/違反報告)
小川優(プロフ) - 全部重ためだけど短いからブルーにならずに読めていい!!! (2022年8月14日 1時) (レス) @page24 id: 43275f8478 (このIDを非表示/違反報告)
ねむ(プロフ) - 真昼さん» だいたい月1で作品を書いているので、いつになるかは分かりませんが続きます。 (2022年8月5日 16時) (レス) id: f378124263 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 続きますか？ (2022年7月22日 0時) (レス) @page24 id: 279e5ec09b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねむ | 作成日時：2021年11月23日 20時
