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ページ9

〈過去〉長いので読まなくていいです!

彼が生まれたのは日本の時代が江戸、と呼ばれる頃。いや、もっと前だったかもしれない。
妖のものが頻繁に誕生し、人々を脅かす時代だった。彼はいつの間にか海にいた。両親はいたはずだがいつの間にかいなくなっていた。その時代、捕鯨が頻繁に行われていたことから捕獲されてしまったのだろう。他の鯨たちは彼に寄ろうともしなかった。なぜなら彼の上半身はニンゲン、だったからである。鯨からしても彼は化け物に見えたのであろう。幼かった彼にとっては初めて経験した孤独であった。
ある日彼は自分と同じように上半身が人、下半身が魚の鮫の男に会った。男は彼の手を引き、孤独から救ってくれたのである。彼が連れていかれたのはそれはもう美しい場所であった。自分と同じように「人魚」の仲間たちがいたのである。そして彼には新しい家族ができた。
彼は日々、身体が大きく、男らしくなってきた。そうすると周りのものたちは逞しくなっていく彼の周りに集まりだした。人魚は長命であるため交i尾はあまり必要としないが強いものには逆らえない、彼の遺伝子を欲す本能故であろう。それを鮫の男は面白いとはおもわなかった。
彼に自分の立ち場を取られてしまい、とうとう男は彼を騙し、陥れることにした。

鮫の男は彼を人間に捕えさせようと浅瀬に呼んだ。
彼は男のことを何も疑わずについていく。そして彼は男の思惑通り、人間に見つかってしまうのである。人間は彼を捕えようと必死になった。なぜなら人魚の血肉は人間を不老不死にする力があるというからだ。彼は自分とは違う下半身をもっている人間を不思議に思い、自分を捕えようとしている網をつかみ、人間を海に引きずり込んだ。
人間は暴れた。なぜ暴れるのかわからなかった彼は問いただした。「どうして苦しそうなのか」と。そんな問いに人間は答えることはできず、息を引き取った。
彼はこの日から人間に興味を持つようになった。

鮫の男は彼に恐怖した。
彼は彼を殺iそうとした自分に「ありがとう」とお礼を言い、沢山の動かない人間の山を見せてきた。
人間について知ることができたのだという。男は彼の圧倒的な力を目にした。
純粋な狂気、敵わないと思ってしまった。男は姿を消した。それはまるで泡になるように。

その後、彼が長になるのは誰も反対しなかった。
月祥には人魚の血肉を狙うものたちが増えてきた影響で一族全員で住処を変えた。
現代、人魚が目撃されないのはこの影響である。

蛇足→←┆



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ねむこ(プロフ) - ゆかさん» ありがとうございます〜!光栄です! (6月19日 8時) (レス) id: 7450988cef (このIDを非表示/違反報告)
ゆか - 絵柄がとてもだいすきです!こんな上手な絵描けるの羨ましいです! (6月17日 22時) (レス) id: f18a32c293 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねむこ | 作成日時:2023年4月17日 23時

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