もし前世の記憶があったらみたいなネタ ページ40
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時系列的には席替えして間も無い頃。
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ニコニコと笑いながら、
随分と馴れ馴れしく俺に話し掛ける目の前の此奴。
その笑顔と容姿に既視感を覚えた。
彼女の話を聞き流しながら、
俺の中にある長い長い記憶の糸をゆっくりと手繰り寄せて行く。
意外にも答えはすぐに見つかり、
その日見た少女と目の前の此奴を重ねた。
前世の記憶。
そう、前世の記憶なのだ。
いつかに見た少女も、双子の兄も。
俺の記憶の中には奴等がいる。
今はもう存在していない奴等が。
信じる者はいるのだろうか。
少なくとも、俺は信じる。信じざるを得ないのだ。
約1000年。
俺が前世で生きてきた年数。正確には1度死んでいるのだが。
存在してはいけない過去の、あまりにも血に濡れた記憶を、俺は持っている。
双子の兄となった嘗ての器と共に、この世界に再び産み落とされてから約16年。
何故、今の今まで忘れていたのだろうか。
彼女の存在を。
何度も見てきた彼女の事を。
1番、忘れてはいけなかった記憶。
約1000年もの間、俺は此奴に2度会っている。
何かで繋がっているのではなかろうか、
と疑ってしまう程には偶然の出会いだった。
今も例外では無いのかもしれないが、な。
異形。
人間を捨てた俺を本当の人間かのように扱った彼女。
記憶に残らない訳が無いと言うのに。
呪いに殺された彼女は呪いを祓い、やはり最期は呪いに殺される。
彼奴の死に際、俺は彼奴になんと声を掛けたのだったか。
記憶の鍵は開かない。
ただ、今現在俺の前で楽しそうに笑う此奴を見ると、何故だか安心する。
呪術師の悲しい笑みでは無い。無邪気で、年相応。
それを見て、
今世こそは。
今世こそは幸せになれたのか、と思った。
「.......良かったな」
「え、何が？」
呟くように漏れた俺の言葉に、きょとんとする彼女。
愛しい、な。
思わず唇が弧を描く。
切実に思うのだ。俺と同じ血に濡れた記憶を。悲しい記憶を。
どうか、このまま何も思い出さないでくれ。
そう思うまでに、彼女を無意識に愛していたのだろうか。俺は。
今はただ、それを祈るだけ。
そんなことを考えた後、
彼女の相手をしてやろうと視線を此奴に向けて、口を開いた。
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『.......幸せになれよ』
呪いの王が、初めて涙を流した瞬間だった。
前の話が思ったよりシリアスになったのでほのぼの書こうと思います→←後書きみたいな(作者から。更新では無くてごめんなさい)
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麦茶(プロフ) - 小宮瑠璃さん» わーい、ありがとうございます！神......！！いや、あの、私にはもったいない...(感激しながら)読んで下さってありがとうございます本当に...ジャンルはそれ以外も大好きなのですが、やはり書くなら純愛物だなと。これで心を洗って下さったのなら何よりです...(意味深) (2022年4月14日 19時) (
レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - ただの神じゃねぇか…!!!!() ツンデレ大好き。もう最高！てか純粋な恋愛物なんて久々に見たわ…心が洗われた(意味深)(汚れた人間) (2022年4月13日 23時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - るーさん» レスが物凄く遅れてすみません...！コメントありがとうございます。ツンデレ宿儺さん、完璧に解釈一致です...！最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2022年1月18日 23時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
るー - やばいなこれ絶対宿儺さ器用だけど性格が不器用なタイプだよこれツンデレだよこれ好きです (2021年10月4日 0時) (レス) @page7 id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ゆずポンさん» あらまぁ同担さん！！(おばさん？)宿儺さんの小説で2度目(ry推しの同担さんに出会えるとか運命......！？(？)いやぁ嬉しい限りです。こんな妄想と偏見しかない小説を読んでくださってありがとうございました......！ (2021年6月6日 17時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦茶 | 作成日時：2021年3月31日 16時
