あ、あと2話(多分)でしたごめんなさいでした ページ37
*
「知っている」
なんて言いながら、散々泣いた私を揶揄うように、
今赤くなっているであろう私の目付近を優しく指で撫でた宿儺くん。
そして
「...俺とお前以外、生徒はほぼ帰ってるだろうな...ほら、さっさと帰るぞ」
「え、もうそんな時間？」
誰かが散々泣いたせいでな、なんて皮肉を言いながら宿儺くんは立ち上がり、
気まずそうに無言で私に手を差し伸べた。
彼の不器用な優しさなのだろう、
私はその手を取り立ち上がる。
そして大分時間経ってた。それはごめんなさい。
「あ、私の鞄教室にあるよね、まだ」
「...取ってこい。正門前で待ってる」
そう言って踵を返す宿儺くん。
先に帰ってしまう...なんてことは彼に限って無いと確信している。
私はすぐにダッシュで教室に戻り、鞄を取りに自分の席へと向かう。
案の定教室には誰もいなくて。
そして急ぎで彼が待つ正門前へ向かう。
宿儺くんは待っていてくれて、
私を見つけるとさっさと歩き出す。
走って彼の隣に並ぶと、宿儺くんは歩くスピードを落とし、
私の歩幅に合わせて歩く。
さりげなくやってのける所は器用だよね本当。好き。
「宿儺くん」
声を掛けてみると、宿儺くんは無言でこちらに視線を向ける。
「手...繋いでも、いい、ですか」
意を決して言ってみた。
夏祭りの時は宿儺くんから繋いでくれたから。
自分から言い出すのは恥ずかしい、と言ったら嘘になるが。
宿儺くんは少しだけ目を見開き、それからすっ、と手を差し出した。
私はその手をぎゅっと握る。
少しだけ握り返される、私より一回り大きい手。
ああ。両想いなんだな。って。
今でも夢のようである。未だに実感湧かない。
それからは沈黙が続いたが、暫くするとそれも無くなり、
何気ない会話を続けながら帰路に就く。
いつもと変わらない、友達のような会話なのだが。
ただ、下の方でしっかりと繋がれた手が、
もう私達が『友達』では無く『恋人』であることを示している。
野薔薇ちゃん達に言ったらなんて言われるかな。
喜ばれる？いや、遅い！って怒られるかな。
なんて想像を膨らませていると、少し先に見える私の家。
「...あ、私の家ここ。ありがとうね、送ってくれて」
また明日、と手を振ると、踵を返しながら小さく振り返してくれる。
ありがとう、送ってくれて。
心の中でもう一度。
今度こそこれで最後(多分)！！！→←あと1話(多分)ですよ完結間近。楽しすぎます
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麦茶(プロフ) - 小宮瑠璃さん» わーい、ありがとうございます！神......！！いや、あの、私にはもったいない...(感激しながら)読んで下さってありがとうございます本当に...ジャンルはそれ以外も大好きなのですが、やはり書くなら純愛物だなと。これで心を洗って下さったのなら何よりです...(意味深) (2022年4月14日 19時) (
レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - ただの神じゃねぇか…!!!!() ツンデレ大好き。もう最高！てか純粋な恋愛物なんて久々に見たわ…心が洗われた(意味深)(汚れた人間) (2022年4月13日 23時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - るーさん» レスが物凄く遅れてすみません...！コメントありがとうございます。ツンデレ宿儺さん、完璧に解釈一致です...！最後まで読んで下さってありがとうございました！ (2022年1月18日 23時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
るー - やばいなこれ絶対宿儺さ器用だけど性格が不器用なタイプだよこれツンデレだよこれ好きです (2021年10月4日 0時) (レス) @page7 id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ゆずポンさん» あらまぁ同担さん！！(おばさん？)宿儺さんの小説で2度目(ry推しの同担さんに出会えるとか運命......！？(？)いやぁ嬉しい限りです。こんな妄想と偏見しかない小説を読んでくださってありがとうございました......！ (2021年6月6日 17時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：麦茶 | 作成日時：2021年3月31日 16時
