終わったみたいな雰囲気出してるけどすみません終わってないですもう何話かありますごめんなさい ページ32
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「は、おい、泣くな」
俺が泣かせたみたいになるだろうが、と、
困惑しながら優しく私の涙を拭く宿儺くん。
「宿儺くんが泣がぜだんだよぉ...!!」
宿儺くんが泣かせたんだよ。本当。
所で、もう少し可愛い泣き方できなかったかな。私の馬鹿。
涙声で言うと、は...?と困惑顔を続ける宿儺くん。
今のは告ったんですか。それとも慰める為に言っただけですか。
「ああ、言っておくが」
そこまで言うと、宿儺くんはバツが悪そうに目を逸らし、
「今の、本心だからな」
と、私の心を読んだかのように言った。
その顔はほんのり赤くて。
その言葉が、私の涙の勢いをヒートアップさせるって、気づいてないのかな。
「わ、たしも...!宿儺、くんが、...!好き...、だよ...!大好き、だから...、!」
えぐえぐと泣きながら、途切れ途切れに言葉を紡ぐ。
恥ずかしいことこの上ない。
だけど、
彼が私を好きだ、って事実があるから、今はそれでいい。なんて。
泣き止まない、と察したのかはぁ...と溜息をつく宿儺くん。
すると、
宿儺くんは思い切り私を引き寄せて、そのままぎゅっと抱きしめた。
「はぁ...肩。貸してやるからいい加減泣き止め」
幼子をあやすようにトン、トン、と規則正しく叩く彼。
だんだん私の心も落ち着いてきて、溢れていた涙もようやく止まってくれた。
冷静になった後、
え、しれっとめちゃくちゃハードル高いことしてね?
と今更気づいたのは言うまでもない。
私が泣き止んだのを確認した宿儺くんは、
そのまま私をふわりと優しく抱きしめた。
真正面から伝わる宿儺くんの体温。
ドキドキしないわけが無い。
脈速いのバレてないといいな。
「宿儺くん」
「なんだ」
「さっきは泣いててちゃんと言えなかったからね、今から告白をします」
すぅ...と息を吸い込む。さっきよりも脈が速くなってる気がする。
でも、言う。
「宿儺くん、好きです。大好き。です。
だから。...だから、私なんかで本当に良いなら、......彼女にしてください」
「......ふ、当たり前だ」
彼の唇が弧を描く。
その笑みは時折見せる、煽るような笑みでは無く、なんというか、年相応で、優しくて。
こんな表情、するんだ。
皆の前では見せない、優しい笑みを、私に向ける。
「あ、あとは名前で呼んでね、Aって」
「考えておいてやる」
器用だけど不器用。
「...好きです、宿儺くん」
「知っている」
宿儺くんside毎度毎度凄く楽しいんですよ→←やっべめっちゃ楽しい
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麦茶(プロフ) - 小宮瑠璃さん» わーい、ありがとうございます!神......!!いや、あの、私にはもったいない...(感激しながら)読んで下さってありがとうございます本当に...ジャンルはそれ以外も大好きなのですが、やはり書くなら純愛物だなと。これで心を洗って下さったのなら何よりです...(意味深) (2022年4月14日 19時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
小宮瑠璃 - ただの神じゃねぇか…!!!!() ツンデレ大好き。もう最高!てか純粋な恋愛物なんて久々に見たわ…心が洗われた(意味深)(汚れた人間) (2022年4月13日 23時) (レス) id: dbce0c6b80 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - るーさん» レスが物凄く遅れてすみません...!コメントありがとうございます。ツンデレ宿儺さん、完璧に解釈一致です...!最後まで読んで下さってありがとうございました! (2022年1月18日 23時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
るー - やばいなこれ絶対宿儺さ器用だけど性格が不器用なタイプだよこれツンデレだよこれ好きです (2021年10月4日 0時) (レス) @page7 id: ee38c723d2 (このIDを非表示/違反報告)
麦茶(プロフ) - ゆずポンさん» あらまぁ同担さん!!(おばさん?)宿儺さんの小説で2度目(ry推しの同担さんに出会えるとか運命......!?(?)いやぁ嬉しい限りです。こんな妄想と偏見しかない小説を読んでくださってありがとうございました......! (2021年6月6日 17時) (レス) id: d98a2cb0d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:麦茶 | 作成日時:2021年3月31日 16時