宿儺くんって、意外と器用。【両面宿儺】

校舎裏なう ページ27

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虎杖宿儺くんは、性格だけ目を瞑れば優良物件である。


顔良し声良し、勉強、運動共に出来ておまけに器用。

彼に欠けている物は性格。


貶しているわけでは断じて無いけど。


私は彼の性格が好きだ。彼が優しいことを私は知っているから。

勿論容姿も好きだけど。



校舎裏。今、私の目の前にいる女子生徒を見れば、それを証明出来るだろう。



『宿儺くんにこれ以上近づかないでくれる？迷惑なのよ』



迷惑。その言葉が重くのしかかる。




ずっと思っていた。迷惑なんじゃないかなって。


ずっと付きまとって。ずっとお弁当を作って貰って。



彼がそれでいいならそれでいい、とか。

思ったりもする。


もし彼が迷惑だと思っていたなら、私は身を引く。関わらないようにする。


彼がそれでいいなら私だってそれで構わない。



だけど、好きだ。



宿儺くんに迷惑だと思われていても、

彼女に迷惑だと言われても、



私は宿儺くんが、好きだ。



この想いに変わりは無い。きっとこの先も変わることが無い。




「...ごめん、それは無理」


私だって、傍に居たい。

君が宿儺くんを好きなのと同じ。



私だって好きなんだ。


出来ることなら傍に居たいんだ。


好きだから。


「はぁ！？なんでよ？！」


掴み掛からんばかりの勢いである。


殴られそうで怖い。



あ、てかこれ殴られるやつだ。


気づいた時には間近に迫る彼女の手。



そこまで怒る？なんかごめんなさい。


乾いた音。と同時に走る鋭い痛み。


「...っ...！」


思っていたよりも痛くて思わずよろけてしまった。


ら、トドメとばかりにお腹を蹴られた。


壁に打ち付けられる私の身体。

平均より少し小柄な私の体躯だと当然か。




もう1発。迫る彼女の手。殴られる＿＿＿と目を瞑れば、



覚悟していた痛みは来なくて。代わりに



「......誰がこの女に手を上げていいと許可した？例え女でも許さんぞ」


と。


目を開ければ、そこには見慣れた桜色。





まるで正義のヒーローですね。

まるで正義のヒーローのようでした。(作文)→←調理実習なうなう

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