宿儺くんって、意外と器用。【両面宿儺】

続くよひゃっほうごめんなさい ページ22

*


「...あ、ヨーヨー釣りある...！やりたい」

「お前...その前に綿飴とたこ焼き(これ)どうにかしろよ...」


俺に持たせるな、と俺の手にあるそれらを掲げて見せる。

合わないな綿飴とたこ焼き。食えるのか...？



「でも宿儺くん、持ってくれるでしょ」


綿飴は食べてもいいよ、


なんて言いながら、もうヨーヨー釣りに夢中になっているコイツ。


本気で帰ってしまおうか。と言う思考も、


あ、釣れた！と嬉しそうに言うコイツを見ていると
どうでもよくなってしまうのが随分と憎らしい。


俺を振り回せるのはお前だけだな。



「あ、宿儺くん綿飴ちょうだい」


持っていた綿飴を渡して、おい、と声を掛ける。


「お前、はしゃぎすぎるなよ、 」


はぐれても探さないからな、と釘を刺しておく。


「宿儺くんは私のことを小学生か何かだと思ってらっしゃる？」


不満そうに言いながら綿飴を口に入れようとするソイツの手を取り、

手元にある綿飴を自分の口の中に入れた。


うわ。

「...あっま」

思わず顔を顰めた。

当のコイツは、みるみる内に顔を赤く染めて、


「え、あ、ちょ、宿儺くん...？！何して...！」


と混乱した様子。


「何を照れている？食っていいと言ったのはお前だろう？」


ニヤリと口角を上げて言う。


「言ったけど、！言ったけど！」


これじゃか、間接...キスに...なんてしどろもどろになりながら言うコイツは

本当に、可愛い。


俺はそこまで鈍感じゃない。



羞恥で顔を真っ赤にする表情。

弁当を持って行った時に毎回見せる笑顔。



全て、俺だけに向けて欲しい。なんて、柄にもないことを思ってしまう。



結構前から自覚していた。



俺はコイツが、






好きだと。

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