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弐-21 ページ27

胡蝶さんはかなりの重症を負っていた

さっきは遠くて分からなかったけれど、特に頭部から酷い出血で顔色も悪い

「姉貴の無念を晴らすべくその女に一発とどめを刺してやる!!…ギャアッ」

あの十体のうちの一体の鬼が胡蝶さんに襲いかかり、咄嗟に鬼の腕を斬った

血鬼術から出た鬼も言葉を話すのか…知能がある、ただの人形じゃないんだ

「これは少し厄介だな…」

地面を蹴り、その場からすぐに離れた

しばらくした所に隠の方々がいたので胡蝶さんを引き渡し、すぐに師範の元へ戻った

「分裂鬼の本体を見つけた!!Aが斬れ!!」

師範が相手をしている五十体程の鬼…の向こう側に子どもの姿をした鬼がいた

あれが十二鬼月から分裂した鬼…?

一気に距離を詰めたけど、子どもの鬼は怯えたように泣いた

「やめて!きらないで!」

そういって鬼は木の上に逃げた

私が斬ったはずの肩から胸にかけての傷の再生が速い…大勢の人を喰っている証拠だ

「なんでぼくのお姉ちゃんを殺したんだよ!」

"お姉ちゃん"…?

恐らくそれが十二鬼月かもしれない

「お姉ちゃんはずっと僕を背中に隠してくれていたんだ…僕を守るために…」

ということは、胡蝶さんの仰ってた十二鬼月は分裂した訳ではないんだ

この子どもの鬼は十二鬼月ではない

十二鬼月の姉にくっついていたこの弟鬼が、胡蝶さんに姉を殺されたあと…血鬼術で、斬られる度に分裂する鬼を出した

「なのに、お前ら鬼殺隊に殺された…憎い…!!死ね…!!」

鬼は群れないと聞くけど…姉弟そろって鬼にされてから、今日まで二人で生きてきたのだろう

幼い子供に見えようが、何十年、何百年生きているか分からない

罪なき人を無差別に殺す

鬼とはそういうものだ

「…ギャアッ!いたい!」

首を狙うが刀を掴まれたので鬼の手が斬れてしまった

「ぼくをいじめないでよ…!たすけてよ…」

「…っ」

人間だったら助けた

鬼舞辻のせいで罪のない君たちが鬼になった、それは悲しいことで…そして許されないことだった

でも、君たちは鬼だからこれからも人を喰べるだろう…それよりはここで死んで生まれ変わって欲しい

次は鬼になりませんように


光の呼吸 壱ノ型 光陰流転

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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

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