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弐-4 ページ10

「…スゥゥゥゥッ」

体が勝手に動いた

「ギャッ!」

自分でも聞き慣れない呼吸音の後、鬼の腕が地面に落ちた

空気がすんなりと肺に入ってくる…体が楽に動かせる

酸素が体に巡る感覚がいつもとは違う

「…はっ?」

鬼の口から腑抜けたような声が漏れた

私は今までかつてない速さで刀を振り、それと同時に後ろに体を捻って爪を回避していた

なぜだろう…毒を喰らった私はこんなに早く動けないはず

「この小娘!!」

鬼が爪の連撃で私を裂こうとする

強い鬼なだけあって確かに速い…でも、一旦間合いから出ればいいだけだ

地面を思い切り蹴って宙で前方に回転し、それから背後にまわって頸を斬る!

よし、このままいけ…!!

私が地面に着地するとほぼ同時に、

「…え?」

今度は鬼の首が地面に転がった

「何よ…私、首から下の…感覚が…ッ」

…やっと

「…斬れ…た…」

間もなく、鬼は灰になって消えた

「ッ…ハァッ」

勝った…元だけど十二鬼月に勝った

「…ハァッ…ハァッ…」

しかし毒を食らったせいで息が苦しく、体は痺れている

頭の中で血管が心臓のように脈打つのが分かる

他の隊士は大丈夫だろうか…

辺りを見回していると、急に背後から声をかけられた

「おー派手にやったな」

「?!誰…っ、うえっ…」

「お前も毒喰らってんじゃねぇか…これ飲め、解毒薬だ」

鬼殺隊の人?隊服着てるし、きっとそうだよね

袖がなくて、腕には飾りが付いてて、頭にも宝石がいっぱい付いてる…

とにかく鬼殺隊士なら信用できるとして、渡された解毒薬を飲んだ

「…ありがとうございます。あの、他の隊士も毒を喰らって…」

「ああ、もう処置済みだから安心しろ」

「そうなんですか…あの、あなたは…?」

「俺は音柱の宇髄天元だ。お前は?」

柱?!

確かに一般隊士でないような雰囲気は出ているけど、柱にお会いするのは初めてで一気に緊張する

「ご、ご無礼をお許しください、音柱様。私は長月Aです、階級は(かのと)で…」

「そうかA、早速だが」

音柱様はずいっと顔を近づけてきた

「俺の継子にならねぇか?」

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みやびりじゅ(プロフ) - 嬉しいです、ありがとうございます!頑張ります! (2022年11月5日 22時) (レス) id: eaba6d63f6 (このIDを非表示/違反報告)
七星 麗華 (ななぼし れいか) - 面白かったです!!更新楽しみに待っています!!! (2022年11月5日 17時) (レス) @page39 id: 50853c9852 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みやびりじゅ | 作成日時:2022年1月21日 21時

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