第二十五話 負債の記憶 ページ25
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【……そこは。有る限りの白だった……】
ぐしゃぐしゃした顔の男が私に何かを云う。
「っ!!!」
私は体を起こした。
裸足のまま、駆け出す。
ヘアピンを用意して、自分の家の壁を登り、書斎の窓を開けて、中へ侵入した。
「……確か、あれはこの辺りへ……」
バラバラ散る経歴書。
一枚目は森 鴎外
二枚目は中原
「……此じゃない。此方か?」
もうひとつのクリアファイルを散らかすとまた経歴書が溢れ落ちた。
「……合った。」
一枚の経歴書。
これは、私が独自のツールで手にした物だ。其処に写ってる写真には気難しい顔である人物が写っている。
それから一番上の棚から更に私の経歴書を取り出す。あまりにも白いところが多すぎる。
経歴書に書かれた電話番号をダイヤルして出た人物を呼びつける。
開襟襯衣に腕を遠し、赤い直衣を着てスカートを穿く。白い包帯を正して赤い靴下をサスペンダーで吊る。
「……たまにはね」
何時も襟元を閉める赤いリボンで髪を束ね、その中央で獄幻マークのバッジで止める。
「……よし。」
第二十五話 万事の答、誰が知り得る?→←第二十四話 月下の飢
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作者名:ネモ@ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yuu2522/
作成日時:2016年8月21日 1時