【バチカン奇跡調査官】〈熾天の預言者と天彩の祓魔師〉 (ページ3)

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第一章《Ⅲ》ページ3

side:not
　
「さて、平賀。忘れ物は？」
「心配なくとも大丈夫です！」
胸を張った平賀にロベルトは少しだけ笑みを溢す。
「では車酔いに気を付けて」
「ロベルトの運転なら平気です」
　
しばらくして見えてきたのは真っ白い門だった。そこに二人組が座っていた。
「ああ、確かにあんたらとバッティングするのは初めてだな」
「そうですね。ボクも、初めてお目に掛かります」
白髪、修道着の二人組だった。片方は青い目でぶっきらぼうな口調と、短く束ねた髪を。もう片方は中性的な顔立ちに赤い目の神父だった。
「初めて。A・ユリウス・エナです」
「俺はエドワルド・セレンスティア・エナだ」
「ロベルト・ニコラスだ」
「平賀・ヨゼフ・庚です」
二人の手を握る。Aの方が右を、エドワルドが左を前髪で隠している。
「えっと……」
「ああ、車にどうぞ」
二人の荷物を車に積み、エンジンを掛け直す。
そして、手短にバチカンで聞かされた言葉を二人は伝えた。
「そうですか……サウロ大司教が」
「…………成る程な。オッケー。あんたらを俺たちは手伝うよ。ソレだけは保証する。あー、なんだ、神に誓っても仕方無いからな。悪魔にでも誓うか」
「兄さん。お二方は普通の神父なんですよ。あんまり冒涜的なセリフはメッ！ですからね」
「はいはい」