痛みを感じないサバイバー

04.自己紹介… ページ5

エミリーとリッパーが部屋を出てから十数分で人がかなり集まった。



「これでサバイバーは大体集まったわね、あとは…えーと、イソップさんぐらいね」


「あー、イソップさんはいつも来ないじゃない。あの人は社交恐怖だからこういう場には来れないのよ」



エミリーとフィオナが話している。
イソップさん…？は社交恐怖らしい。

どんな人なのかは知らないけれど私も自分から人と関わりたくはないしあまり話しかけないでおこう。

「お待たせいたしました。ハンターは全員呼びましたよ」

リッパーがエミリーにそう伝えると

「じゃあ、あなた自己紹介。できるかしら？」

と、エミリーが話しかけてきた。
私は紙にペンを走らせた。



『…(役職は生贄です。名前はありません)』




「みんなで名前を考えるなの！！！」

エマがみんなに言うとそれぞれ思い思いに私の名前を提案してくれたが、それでは全然決まらず結局1人一枚紙に名前を書いてその紙を箱に入れ私が引いた紙に書いてある名前が私の名前になる事になった。





「さぁ！どうぞなの！」

エマが紙の入った箱を私に向けた。


ゴソゴソ

…ペラ






…A






「なんて書いてあったなの？…A！！！！
素敵な名前なの！！！！」


エマが笑顔でそう言うとその場にいたみんなが口々に私の名前を呼び、いい名前だと言ってくれた。


とても嬉しかった。
初めて生贄という呼び名以外で呼ばれて…名前をもらえて…


『…(ありがとう)』

わたしはそっと紙に感謝の言葉を書いた。



その後ハンター、サバイバーの人達に自己紹介をしてもらった。

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