／キミと、雨の中…／ ページ6
*
雲で覆われた、薄暗い空。
土砂降りの影響で人通りの少ない道を、
２人の男女が、１つの傘の中で、肩を並べながら歩く。
…気まずいなぁ……
…涙の跡とか、残ってないといいけど…。
「えっと…同じクラスの、Aさんだよね…？」
『は、はぃ…』
「こんな時間に帰るってことは…何か部活に入ってるの？」
『ぃ、ぃや…部活とかは…」
緊張で、声が裏返る。
すぐ隣にいるため、しょっちゅう肩がトンッとぶつかる。
そしたらすぐに、
「！ごめん…」
『！ごめっ…なさぃ…』
と、お互いに謝り合う。
そんなことを、さっきからずっと繰り返しているだけ…
会話してみるも…
長くてさっきみたいな、ゲームで言う２ターン程。
「なんか……ごめん」
『ぇ…？』
突然の、“松風さん”からの謝罪。
謝られた理由がわからなくて、首を軽くひねる。
松風さんは苦笑して、それから言ったんだ。
「Aさんってさ…
いつも１人でいるから、１人が好きなのかなって…」
『ぇ…』
「そうだとしたら…
いくら風邪引かないか心配だったからとはいえ、
俺が話しかけちゃったの、迷惑かなって…」
力なく笑った松風さんを見て、気づいた。
…この人は、いつも人に囲まれてる。
そんな人からしたら、人とつるまないワタシって…
不思議でしかないよね…。
つるまないんじゃなくて…つるめない…
こんなこと、わかってもらえるワケないもんね…。
ズッと近づいた、傘の持ち手。
ビニール傘の中に、松風さんはいなかった。
「ごめん…その傘使って帰っていいよ。
女の子を濡らして帰らせるワケいかないし」
『ぇ…待っ、て…！』
「？…」
咄嗟に、松風さんの裾を掴んでいた。
傘で顔がぼやけてよく見えない。
…あ、あれ？
…なんで呼び止めたんだろ？
人を呼び止めたのなんて、初めてかもしれない。
…傘で顔がぼやけてよく見えない状態で良かったと心底思う…。
今のワタシは、きっと恥ずかしさで真っ赤だ。
「どうしたの…？」
『へ……ぇぇっと…』
何で呼び止めてしまったのか、自分でもよくわからない。
だが次の瞬間、口は勝手に動き出した。
『ひ、人と一緒に、ぃないのは、
友達が、いなぃからっ、なんです…！』
…ホント、何を言ってるんだろう……。
*
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ツクヨミ☆ノア(プロフ) - .*･ﾟ読桜 .ﾟ･*.さん» どういたしまして！スッキリできたなら良かったです。これからも更新頑張ってくださいね！ (2018年5月28日 8時) (
レス) id: d751ca0591 (このIDを非表示/違反報告)
.*･ﾟ読桜 .ﾟ･*.(プロフ) - コメントありがとうございます。まだまだ自分を好きだと思い、自信を持つのは難しい気がしますが、なんだかスッキリしました。憧れの作者様にこんな風に言ってもらえて感激です。ありがとうございます！ (2018年5月27日 20時) (レス) id: 82655d59d1 (このIDを非表示/違反報告)
ツクヨミ☆ノア(プロフ) - コメント失礼します。誰だって失敗は怖いものですし、『完璧』じゃないと気がすまない人はたくさんいると思います。私も結構自己中心ですし、そうじゃない人は存在しないと思います。自己中ってことは自分が一番、大切だと本当は思っているんじゃないでしょうか？ (2018年5月26日 23時) (レス) id: d751ca0591 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：読桜 | 作成日時：2018年3月3日 23時
