王様と王子様と女神様３

体調不良２ ページ34

永瀬side


「お前、ソファーから落ちてんで？ほんまに大丈夫か？」


ソファーから落ちた瀬戸をソファーに座らせ、俺は聞いた。

「うん、たぶん大丈夫」っとぼーっとした様子の瀬戸は言う。


ほんまに大丈夫か、こいつ。


「背中、痛ないんか？」


「背中？……んっ、痛いかも」

俺の言葉を聞き、伸びをした瀬戸が少し眉をひそめた。

そして、今気づきましたという顔で俺を見る瀬戸。


こいつ、ほんま……


「あほやな」


心の言葉が自然と口から出てしまった。


俺は顔に出やすいんやから、せめて口は閉じなあかんねんけど

瀬戸に対してだけ、なぜか自然と口が滑ることが多い。


「ん、あほだね」


それに俺の言葉に対して、瀬戸もよく肯定するから、なお悪い。

そして今日は熱のせいか、いつもより二割増しにふわふわしてる瀬戸。


いつもは見せない、ふんわりとした笑顔をするとか、余計心臓悪いわ。


「自分で言うな」


「ほんとのことじゃん」

瀬戸は言う。


小さい声のつもりが、聞こえてたみたいや。

いつも無表情なくせに、今日は頬がゆるんでんぞ。


イケメンが台無しや


「なぁせ？」


俺が黙ったからか、瀬戸は首を傾げて俺を見る。

真っ直ぐな目が少し潤んでて、いつもと違う瀬戸に


「もう少しでみんな来るわ」


俺は目を背けてしまう。


「うん、わかった」っと瀬戸。

こういうとき、この素直さには救われる。


ピコンッ


岸優太美雨葉にゼリーとプリンどっちが食べたいって聞いてくれ、頼む!


いち早く既読になった優太からのLINE。

いや、俺、伝言板ちゃうねんけど。


「なぁ、優太がゼリーとプリンどっちが食べたい？って」


そう思いながらも聞く俺って偉いわ。


瀬戸は少し考えると、「……プリン」っと言った。


永瀬廉プリンやって


岸優太だよな!って言っといて、よろしく!


「優太がだよな〜やって」


「うん、ありがとう。って岸くんに伝えてくれる？」


「はいはい」


永瀬廉ありがとう、と瀬戸が言っております。


岸優太どういたしまして!ちゃんと安静に休んでろよ!って美雨葉に言っといて、よろしく!


「どういたしまして。ちゃんと安静に休んでろよ。らしいです」


「わかりました、休みます。って岸くんに伝えてくれる？」


永瀬廉わかりました。休みます。とのこと


岸優太(スタンプが送信されました)


俺挟まず、LINEしろや！！！

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