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私と岸くんの関係性 2015 ページ9

瀬戸side 2015年


「送るって!」


「いいよ、大丈夫」


「ダメだ!送る!」


「いいってば」


誰もいない廊下で言い合いをする私たち。

こういうとこは何歳になっても成長しないね、ほんと。


私は心の中でため息をつきながら、立ち上がる。


「今日からは1人で帰る。決めたから」

そう言って、私は歩き出した。


「なんでだよっ……なに気にしてんだ」

けど岸くんの言葉を聞き、足が止まる私。


タイミングが良いのか悪いのか

私のことを引き留めるのがうまい岸くん。


やっぱり理由は言わなきゃ、ダメだよね。


そう考えた私は、岸くんの方を振り返る。


「一緒に帰るのをファンの方に見られたら、変な誤解生むかもしれないから嫌なの」


私がそう言えば、岸くんは一時停止した。


「……おう、それ言われると言い返せす言葉が出てこねーわ」


「なら家帰って考えて、私はもう帰る」

私はそう言って、もう一度足を進めた。


「あぁーー、ちょっっ、今考えるから待て!」

って言う岸くんの声が聞こえるけど、私は気にせず進む。

後ろを向かなくても、頭をかいてる岸くんが見える。


「あー、なんだ、うーん、えぇー……あっ美雨葉!待って!」


追いかけてくる岸くん。私は振り向かずに歩く。けど、


「待てって!」


岸くんに腕を掴まれ、私は強制的に止まる。

「……言い返しは見つかった?」っと私は岸くんを見て言う。


「それはー、うん、今なっ、考えてるから!」

そう言う岸くんは必死な様子。

頭をかき、眉間にしわを寄せている。


考えてくれるのは嬉しいけど、絶対答えは出ないと思う。だって


「いいよ、絶対どうにもできないから。

私と岸くんは周りから見たら、どうやっても、女性と男性なんだし」


性別はどうにもならない。



それに、私と岸くんの関係性は、周りから見たら恋愛のように映る可能性が高い。



他の人より心も身体の距離も近いし


岸くんはかなり過保護だし、私もそんな岸くんに甘えてる。



いつから、こんなに距離が縮まったんだろう。



岸くんに敬語だった時代は、まだ心は開いてなかった。


だって仲良くしても、私はすぐにジャニーズからいなくなるって思ってたから。



だから、変わったのはたぶん




男の子になると覚悟を決めた、あの日かな。

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作者名:猫嬢 | 作成日時:2018年11月1日 19時

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