王様と王子様と女神様２ (ページ13)

今日:3 hit、昨日:0 hit、合計:87,557 hit

お構いなし　2009 ページ13

岸side 2009年

「俺は、ステージに立ちたいです」

小５の美雨葉は真っ直ぐな目をして、ジャニーさんに言った。

その姿は堂々と、そしてキラキラ輝いてて、かっこいいと思ったのを今でも覚えている。

そんな美雨葉に、「そうかい」ってジャニーさんは笑う。

「社長、まさかですけど」

周りのお偉いさんたちはまるで宇宙人を目撃したような顔でジャニーさんを見る。

けど、ジャニーさんはお偉いさんたちの方は見ず、美雨葉の方を向いて

「you、ジャニーズいちゃいなよ」

っと笑顔で言った。

美雨葉も俺も、お偉いさんも目を見開いて驚く。

「社長っ、何考えてるんですか！」

「ジャニーズに女の子がいるなんて、バレたら大変なことにっ」

お偉いさんたちはめちゃくちゃ怒鳴って、怒っているんだけど

ジャニーさんはそんなの気にしてない感じで、美雨葉の方を向いてニコニコしてる。

いや、強靱なメンタルすぎる。

あんな真横で怒鳴られてんのに、スルーできるって天才かよっ。

いや、天才か！

あーだこーだ言ってるお偉いさんたち。

そして、やっとジャニーさんはお偉いさんたちの方を向くと、また衝撃的な発言をした。

「バレなければいいんだよ」

「「……はい？」」

ジャニーさんの言葉に俺とお偉いさんは首を傾げた。

「女の子とバレなければ問題ない」

そうジャニーさんは至ってまじめな顔で言う。

「いやっ、バレます！間違いなくバレます！」

「今はまだしも、必ずバレます！体のつくりが違うんですから！」

「うーん、ボクは大丈夫だと思うんだけどなぁ」

ってジャニーさんは言うと、考えるポーズをした。

確かに小５の美雨葉は男の子にしか見えなかった

けど、けどだ、いくらなんでも男の中に女の子がいたら……

俺もこんときは、お偉いさんたちと同じ考えだった。

けど、そんな俺らはお構いなしに

「youはいつまでなら自信がある？」

「……中学生までなら」

「オッケー、なら一旦、中学生までyouには男の子になってもらおうか」

「はい」

ジャニーさんと美雨葉は淡々と話を進めていた。