プロローグ ページ2
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世界的人気を誇るVRMMOゲーム……ファーストファンタジー。
ストーリーは勿論のこと、ゲームでは珍しい自由性にハマる人続出なこのゲームに、ついに僕も手を出すことにした。
ゲームをするのは実に何年ぶりのことだろうか。高校卒業と共に社会人として激務に勤しみ、所謂社畜と呼ばれるものになってからは寝るか食べるかしか自由な時間がなかったように思う。
だがこれからは違う。昨日、あの手この手で辞職届を会社に突き出し遂に僕は自由の身となったのだ。そしてその場の勢いとノリで偶然見つけたゲームを買ってしまった。そんな経緯で今に至るのである。
説明書に書かれた通りに配線を接続し、ヘルメット型の装置を頭に装着する。それから電源ボタンを押すと目の前の青いディスプレイに白い数字の羅列が流れていった。それからすぐに一瞬の暗黒が広がった後、『ファーストファンタジー』と書かれたタイトル画面が映される。
説明書には脳内で選択すればそれがゲームにも反映されるシステムとなっていると書かれていた。なのでまずは初めからを選んでみる。
すると、何を操作したでもなくゲームが進み今度はゲーム内での自分となるアバター製作の画面に切り替わった。最初に性別を選択するように指示されたので迷わず『男性』の方を選ぶ。そこから容姿年齢やら髪やらと細かく選んでいくように指示されるのでそれに従って自分好みのアバターを作っていく。
僕のアバターは至って平凡な男の子風に仕上げてみた。ただ、それだと個性がないかと思い猫耳の付いた帽子を被っている。これは一目見たときから気に入ったアイテムで、色はピンクと紫のボーダーカラーのチェシャ猫風となっている。
最後にアバターネーム……ゲーム内で使用する仮の名を登録するとCMで流れていたようなストーリーのプロローグが映像として流れ出す。ただ、CMで見ていた時とは違い本当に自分自身がその場で体験しているように体感できて思わず童心に帰ったように心が踊った。
そうしてプロローグが終了すると、僕は他のプレイヤーでごった返す町の中に放り出されたのだった。
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作者名:静琉 | 作成日時:2018年10月9日 23時