高専の問題児が逆トリしてくる話

気がかり（視点：夢主） ページ8

シャワーから上がり、買ってきたスポドリを一気に飲み干す。
照り付けていた太陽は傾き、暑さだけが残っていた。

割れてしまったスマホの代わりにパソコンを開き、こなした仕事の依頼料がきちんと振り込まれているか確認する。

『(大がかりだったからな。いい額が振り込まれてる。当面は仕事受けずにゆっくりするか。)』

軍人を辞めてからは情報屋としてフリーで仕事をしてきた。
誰かのために命を投げ出して死に物狂いで戦ってきたのはもう昔のことで、今では気ままな生活を満喫している。

『(しかし、昼間のお団子頭君との取り合い、なかなかにスリルあったな。久々に楽しめたよ。彼らはあれからどうしただろうか？)』

ふと気になっては、どうでもいいけどと納得する。が一度になってしまえば胸のモヤモヤは増すばかり。

『(もうあきらめたはずなのにな。他人とかかわると碌なことにならない。わかってはいるが…。)』

お団子頭君の顔は終始困惑したような警戒したようなものだった。まるで今の状況が全くつかめないと言わんばかりに。そして白髪君のことを気にしている様子だった。

『(お友達…かな？)』

そんなことをぼーっと考えつつ、面倒な気がかりを払拭するため、お団子頭君と白髪君を置き去りにした公園へと足を進めた。

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