09.S ページ9
えぇーっ
あまりにも急すぎる別れ方でその場でポカンとしていると下にいた友人達がすぐそばまで来ていた。
「えっお前もう友達できたの?!い〜な〜 俺なんか両隣りマジメガネくんだからね?せめて女の子が良かったわ〜」
そういって騒ぐ友達の声は、今の俺にはちょっと遠くに聞こえていて
全然話し足りなかった…
また、明日もあいつと──…
「がっちゃーん?」
唯一、俺をそう呼ぶやわらかい声にすぐに意識が引き戻された。
「おっ、あ、なに、たま。」
「ちょ〜ボーッとしてた。ほら、行くよ?」
タマに手を引っ張られて通路に出た。
タマは俺と一緒にこの大学に入った同級生の一人で、唯一俺のことを がっちゃん と呼ぶ。
高校はなんと3年間一緒のクラス。
彼のまったりマイペースでふわふわとした性格が俺には合ってるみたいで、友達グループの中でも俺はタマと一緒にいることが多かった。
そんなタマは、細身でスラッとした長身、色白で中性的な可愛らしいルックスの持ち主。
今日は少し肩にかかる黒髪を軽くワックスで整えていて、黒いスーツがキマっている。
これは大学で絶対モテるな…笑
そうして、みんなで固まりながら人混みを突破し外に出た。
すると外ではたくさんの先輩学生が待ち構えていて、流れ出てくる新入生達に声を張り上げながらサークル勧誘のビラを配りまくっていた。
俺らもあっという間に囲まれて、持ちきれないほどのビラを渡される。
「う、うわぁ〜 サークルってこんなにいっぱいあんの… 」
手に抱えた大量のビラを見つめ驚く。
「なんか俺同じとこのやつ何枚ももらっちゃったんだけどww 」
「俺もう決まってるからいらね〜のに〜」
友達も同じように両手にビラを抱えて言う。
サークルは、入ろうと思ってる。
高校では書道部だった。
当時なにもやる気のなかった俺をタマが誘ってくれた。
活動自体はすごくゆるくて、週1,2回だったから俺らでも気楽に続けられた。
でも俺は大学でも書道をやる気はなくて、何か別のことを始めてみたいと思っていた。
「タマ〜、タマはやっぱ書道部?」
「ん、書道はもういいかな。
……ボランティアとか気になってる。」
お? 意外だな。
タマはあんまり外で活動するのとかが苦手なタイプだったから驚いた。
ボランティアか… それもいいなぁ
40人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キスマイ(プロフ) - はじめまして!自分の大学生活を思い出す位とても具体的で、ニカ千の出会いも可愛くて素敵でした!弓道部のニカちゃん、似合いますね!ボランティアサークルのこれからも、玉千の過去もとても気になります。これからも更新とても楽しみにしています♪ (2016年3月5日 22時) (レス) id: 32dc0d3973 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪猫 | 作成日時:2016年2月20日 13時