青空に溶ける戯言

06.S ページ6

「 (( え、ちがう？どっち？ねぇww )) 」


クスクスと笑いが止まらなくなった俺を見てあいつもまたニッと歯を見せて笑う。


なんだろ。初対面の感じがしないや。

こいつ、きっと素直で正直な性格なんだろうな。初対面の俺に全くと言っていいほどバリアを張らずに接してくるから、自然とこっちも気張る必要がなくなるというか…


うん、なんとなく、会話するのが楽。


見た目は細めの眉とつり気味の目のせいで一見キツそうというか、怖そうなんだけど、すごい笑顔が明るくて子供っぽくて。
そして表情も豊かだからリアクションがわかりやすいというか。

とにかく俺が話しやすいなって思う人だった。




それから、出身高校どことか、どこ住んでるとか、色々話してるうちにこいつのことが少しずつわかってきた。


ニカは高校で弓道部に入っていて、この大学にはスポーツ推薦で受かったらしい。



まず、弓道部っていうのが意外すぎて驚いた。

あまりにもサラリと言うから詳しいことは聞けなかったけど、弓道って精神統一？とかそういうのも重要…なんだよね？よく知らないけど…。

だから今目の前でペラペラ喋りまくってるこいつと弓道というスポーツにギャップがありすぎて。
でも、スポーツ推薦ということはかなりの腕なのだろう。


そして地方からこっちに来ていて、春からは大学の近くのアパートで一人暮らしをしてるらしい。

高校も親元離れて寮に入っていたみたいだけど、完全な一人暮らしは初めてで、もぉ〜飯が大変！って肩をすくめて笑った。


生まれてからずっと実家暮らしで、これから大学も実家から通うつもりの俺からしたら、すげぇなって感心する。




最初はおちゃらけた奴だと思ったけど、知れば知るほど意外と自分よりしっかりしてるんじゃないかって思う。



そして聞いてるうちに、気づけばもっとこいつのこと知りたいって思ってる自分がいた。


こいつと… ニカともっと仲良くなりたいって思った。


多分だけど、ニカといたら楽しい。
長くて退屈なはずの式も、ニカとずっと喋ってるおかげでそれを感じなかった。



友達になれてラッキーなのは俺のほうじゃね…？笑


あー 式が始まる前あんなに緊張してたのが嘘みたいだ笑

気づけば色々と感じていた不安もなくなっていた。

07.S→←05.S

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す