青空に溶ける戯言

03.S ページ3

「 (( 名前なんていうの？ )) 」



あ、やっぱり！俺こいつと知り合いじゃなかった！

さっきまで、もしかしたら記憶の彼方に追放してしまった知り合いなのかもって焦って色々考えたけど、改めて初対面だとわかって安心したと同時に可笑しくなって、俺はちょっと笑ってしまった。



「 (( ふふっ、え、初対面… ですよね？俺は千賀 健永…です。)) 」


「あ、タメでしょ？敬語いらないいらない笑 てか、センガ？へ〜あんま聞かない名字！学部は？」


「 (( 経済学部。)) 」


「え！俺も！！え、めっちゃラッキーじゃん！もう学部の友達できた〜笑」



いやいや、座席学部ごとに分けられてるからこのへんみんな経済だよ！
あ、座席表見てないとか言ってたっけ？ていうか俺いつの間に友達になった？
こいつ……アホ？笑


そして本人絶対気づいてないけどまた声のボリュームが上がってるし…

ほらほら！またスタッフ近づいてきたよ！



トントン、

「シーーーー！！！！」


あー、ほら笑
また肩叩かれて今度は鬼の形相でシーってやられた笑 これ、3度目は退席だな。


「 (( やっべーまた怒られたww これ3回目どうなんだろうね？俺連行される？ww )) 」


「ブッwwwwww」


俺が今思ったことと同じこと言ってきてさすがに吹き出してしまった。


やべっ！ チラッと振り返るとさっきのスタッフが変わらぬ形相でこっちを睨んでいて慌てて咳で誤魔化す！


「ゴホンゲホン！！ゔ、ヴン！」



隣のそいつは下を向いて笑いを堪えてる。くっそ！俺も巻き添え食らうなんてごめんだからな！！

ていうか俺まだこいつの名前知らないぞ？！



息を整えて訊く。


「 (( あの… な、名前教えてもらえる？)) 」


「 (( あっ ごめんごめん、言ってなかった？笑 ニカ。ニカでいいよ。お前と同じ経済学部。よろしく。)) 」


「 (( に、ニカ？？ えっ…と…… ハーフ、とか？？)) 」


「ブッ！！！www」



変わった名前だから驚いて聞き返したらそいつはおもいっきり吹き出した。

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