検索窓
今日:5 hit、昨日:0 hit、合計:8,301 hit

13.N ページ13

やっべーーーー
こんなに迷うなんて



今日は大学の入学式。
地方からこっちに来て間もない俺は、式の会場に着くのにも一苦労で。


出だしから遅刻かよ〜
幸先悪りぃ


スマホを使ってなんとかたどり着いた会場。
静かなロビーに緊張しながら受付まで行くと、ホールからの音漏れでもう既に式が始まってるのがわかった。

受付の人からパンフをもらって会場に入り、席を探す。


うへぇ… わかんね…


探すのが面倒ですぐに受付に引き返し、座席の案内をしてもらう。


「──この列の、あそこの一つ空いてる席ですね。」

「 あ〜 ありがとうございます。」


ひとまず席が見つかり一安心。


お、左隣は明るめの茶髪くんだ。
そっか、みんな髪とか染めんのか。

ふと辺りを見回せば、茶髪や明るい髪色の頭が目立つ。金髪のやつも…
これが大学デビューってやつ?

髪を染めることにまで気が回らなかった俺は少し後悔しながらも、その茶髪くんを目印に、座ってる人達の前を通してもらう。


途中から、茶髪くんがこっちに気づき俺を見た。


お、なんだよイケメンかよ


会場は薄暗くてはっきり見えないけど、なんとなくわかる。

イケてる系ならわりとノリ良いかもな。暇だし絡んじゃお。


元々よそよそしい雰囲気だとかお堅い式が苦手な俺は、そんな空気を紛らわせるためとりあえずそのイケてる茶髪くんに絡んでみることにした。


「いやぁ〜〜 入学式早々遅刻しちった!!来たことないからさぁここ、迷ったよね〜〜 しかも座席指定されてるしさぁ、俺こういうの見てもわかんないから受付の」


座ったと同時にナチュラルに話しかけてみる。

最初は固まってたけどすぐにきょろきょろと辺りを見回し、自分が話しかけられてることに気づくと驚きの表情を見せた。


そりゃそうだよ笑
初対面だもん笑


でもあからさまにポカーンとするそいつが面白くて、俺は敢えて話すのをやめない。


「そんでめっちゃ旨そうなラーメン屋あってさ、やっべぇ!ここ絶対行きたい!って思ったんだけどこの辺なかなか大学から遠いじゃん?俺んち大学の近くにしちゃったからさぁ、」


トントン、


突然肩を叩かれ、静かにと注意された。


やっべ、やっちゃった笑
声量の調節が苦手だから昔っからこうなんだよなぁ〜

すいません笑、と小さく謝罪する。



話の腰を折られてしまったから、今さらだけど小声で茶髪くんに名前を訊いてみた。

14.N→←読者の皆様へ。



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
設定タグ:ニカ千 , 宮玉 , 藤北
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キスマイ(プロフ) - はじめまして!自分の大学生活を思い出す位とても具体的で、ニカ千の出会いも可愛くて素敵でした!弓道部のニカちゃん、似合いますね!ボランティアサークルのこれからも、玉千の過去もとても気になります。これからも更新とても楽しみにしています♪ (2016年3月5日 22時) (レス) id: 32dc0d3973 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪猫 | 作成日時:2016年2月20日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。