青空に溶ける戯言

11.S ページ11

── 夜





部屋で寝転びながらもらった大量のビラを眺めていると、携帯の着信が鳴った。


誰…… あっ ニカ！



〔 今日ありがと！明日会ったらまた声かけるわ！〕


〔こっちこそ！あ、バイトの面接どうだった？〕


〔受かった受かった！これで生活できるわ〜笑 〕


〔おめでとう！笑 明日会ったら友達紹介するよ〕


〔お〜サンキュー！助かる〜 〕



あ、そうだ。


〔ニカってサークル何に入るの？〕


〔俺、弓道部だよ！スポーツ推薦で入ってるからこっちで成績出さないといけないんだよね。〕


あっ そっか！！
質問ミスった……


〔 けんとは？〕


〔まだ決めてないんだよね笑 明日友達と見学行こうと思ってる！〕


〔そっか！いいとこ見つかるといいな！じゃあもう遅いし、明日な！〕

〔うん、おやすみ〕



「ふふっ」

最後に変なスタンプが送られてきて笑ってしまった。




ニカにはまずタマを紹介したいな。
人見知りでグイグイ来られると引くタイプだから、ちょっと不安ではあるけど…笑

でもなんとなく、タマとは仲良くなれると思うんだよなぁ。
というか、なってほしいな｡



タマは人見知りだけど、ああ見えてすごく優しいし、マイペースでフワフワしてるからか適当に見えることもあるけど、すごく誠実なやつだ。


3年間も一緒だったけど一度も嫌だと思ったことはない。一緒にいて心地が良かった。





そう…
俺とタマは似てたから…。







……


高校に進学して間もない頃、声をかけてきたのはタマのほうだった。




「ねぇ、誰にやられてるの？」


体育の着替えが終わって教室に帰る途中に、突然声をかけられた。


「…え。」


「からだ。着替えてるとき、見えた。色々。」


…！！


「あっ……えっと……」


「…いいよ、隠さなくても。なにされてできた傷かはわかるから、俺。 …学校？親？」


「えっ…なんで、おまえ、」





「俺も、だったから…かな。」



そう言ってふわりと笑った顔は、すごく優しかった。

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