検索窓
今日:1 hit、昨日:6 hit、合計:8,303 hit

02.S ページ2

隣の席が空いてる。

そういえば、もう式が始まるというのに他にもちらほらと空席がある。


入学式欠席するとかあるんだ?


今まで割とやんちゃなグループにいたけど、大事な式とかは全部出てたし周りの友達もそうだったからちょっと驚いた。


そういえば前に先輩も入学式行かなかった自慢してたっけなぁ…


なんとなく右側に人がいないことに少し寂しさを感じるけど、前の方に両側いない人とかいてあれはヤダなぁ笑とか思いながら司会の声を聞く。

そのうちさっきまでの緊張もほぐれて、後からパラパラと遅れて入って来る新入生達に「早々遅刻かよ笑」とか心の中でツッコミを入れながらぼんやりと埋まっていく空席を眺めていたら、


「すいませーんっ ちょっとすいませーんっ」


突然右の方が騒がしくなったと思ったら、俺の列にも遅れてきたやつが座席の前を通してもらっていた。

あ、俺の隣???


「いやぁ〜ごめんなさい、前通ります!」


こいつ…なかなか声のボリュームがでかい
本人はひそひそ声のつもりかもしれないけど、結構出てる。ちらほら前の人が後ろを振り返ってきて自分のことじゃないのにハラハラした。


ドカッ


「いやぁ〜〜 入学式早々遅刻しちった!!来たことないからさぁここ、迷ったよね〜〜 しかも座席指定されてるしさぁ、俺こういうの見てもわかんないから受付の」



え、え、こいつ俺に向かって話してる?!?!?!


一瞬のうちにパニックになる俺


遅れて来たそいつは俺の隣に腰を下ろしたと同時に凄い勢いで喋ってきた。

一瞬、隣に友達でもいるのかなと思ったけどすぐに目と顔が俺に向いてることに気づいてパニック。誰がどう見ても俺に話しかけてる!


な、なにこれ!なんで?!初対面なのに?!


完全に呆気にとられていた俺はただポカンとそいつの顔を見てることしかできなくて


「そんでめっちゃ旨そうなラーメン屋あってさ、やっべぇ!ここ絶対行きたい!って思ったんだけどこの辺なかなか大学から遠いじゃん?俺んち大学の近くにしちゃったからさぁ、」


な、なんで今ラーメンの話!?



相槌もなにもしてない俺に向かって一方的に喋りまくるそいつの声は自然にボリュームも上がっていて、痺れを切らしたスタッフに肩を叩かれ「あ、すいません笑」と笑うとようやく静かになった。



でもすぐにひそひそ声で、


(( 名前なんていうの? ))


って聞いてきた。

03.S→←01.S



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (19 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
40人がお気に入り
設定タグ:ニカ千 , 宮玉 , 藤北
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

キスマイ(プロフ) - はじめまして!自分の大学生活を思い出す位とても具体的で、ニカ千の出会いも可愛くて素敵でした!弓道部のニカちゃん、似合いますね!ボランティアサークルのこれからも、玉千の過去もとても気になります。これからも更新とても楽しみにしています♪ (2016年3月5日 22時) (レス) id: 32dc0d3973 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雪猫 | 作成日時:2016年2月20日 13時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。