207〈歩けない君に〉 ページ43
高木side
物心つく前から片足だけだった。
自分1人じゃ遠くへ行けない。
いつもママが俺のそばに居た……あの時までは。
世界がモノクロに見えた。
俺はこれからどうすればいいのか……先が真っ暗だった。
歩けもしない俺がひとりぼっち。
そんな俺に誰も話しかけない。
片足のない可哀想な子、それが周りからの視線となり俺に突き刺さる。
「できねぇんだろ？いいよ。俺がやるから」
「足がないからって高木は高木だろ。」
「生きにくい居場所なんか必要ねぇよ。」
「生きたいと思える場所がないなら作ろう。俺ら2人で。
そんな場所を探してる奴がここには何人もいる。ひとりじゃない、俺らは仲間だ」
。
大貴「本当にいいの？相葉先生に会わなくて」
雄也「会いたくて会いに行ってるわけじゃないからね……。それに最近は調子いいんだ。こいつがさ、」
笑顔を見せながら義足を撫でる。
相葉くんのおかげで自分に合う義足を使えるようになった。
今では歩くのが楽しくて...夜に一人散歩なんかしちゃって。
雄也「ねぇ薮くん。」
宏太「ん？」
雄也「昔、俺に合う義足が見つかったら海にでも行こうって話覚えてる？」
薮くんは少し驚いた顔で俺を見ると、いつもの優しい顔で笑った。
宏太「覚えてるよ。あの時のお前は...」
雄也「その話はもういいから！」
慧「その話？」
光「はぁ...またそれかよ」
大貴「またってなに！俺知らないんだけど！」
雄也「いいって！知らなくて！」
宏太「高木ったら」
雄也「いいんだって！」
。
薮くん、俺は小学生の頃の修学旅行でキャンプファイヤーをしたとき火を見つめ怯え震えていたことを今でも覚えてるよ。
思い出すたびに『薮くんにも大きな闇がある』って、実感するんだ。
でも薮くんは俺とは違った。
いつでも俺の前に立ち何かから守るように傍に居てくれた。
いつまでも歩けない俺に優しく手を差し伸べてくれた。
まだ薮くんが前に進めないというのなら、その時は俺が薮くんに手を差し伸べるから。
。
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華代(プロフ) - はじめまして。 一気読みでしたが、素晴らしい作品で、感動しました。 また初めから読んでみたいと思います。本当にお疲れ様でした！ (2021年2月4日 18時) (
レス) id: d952e3b0da (このIDを非表示/違反報告)
まる - 今までお疲れ様でした！俺らシリーズ含め猫チャロさんの作品が大好きです。占ツクから離れた時期もこの作品だけは思い出しては読み返していました。完結まで書いて頂き感謝しかありません。この作品に出会えたことを幸せに思います。 (2020年8月6日 4時) (レス) id: 9463c2f9d9 (このIDを非表示/違反報告)
You(プロフ) - チャロちゃん居なくなってごめん。影でずっと見てたよ。今までおつかれ様でした！悠樹 (2020年2月14日 11時) (レス) id: 6822cd0dae (このIDを非表示/違反報告)
光音 - こんばんは。今お話読ませてもらいました。猫チャロさんのお話、大好きです。伊野尾さんのキャラ設定、私の中のどストライクでした。これからもまだ読んだことのない猫チャロさんの子供、読ませてもらいます。ありがとうございました。 (2020年1月27日 20時) (レス) id: df7638da7e (このIDを非表示/違反報告)
青空と虹(プロフ) - 今までありがとうございました。そして、お疲れ様でした。寂しいですが、猫チャロさんの子供たちを大事に大事に読み返そうと思います。このアカウントを作って活動を始めたのは、猫チャロさんのお話を読んで感動したのがきっかけでした。人生を変えてくれてありがとう。 (2019年11月15日 1時) (レス) id: 4cc456b6d8 (このIDを非表示/違反報告)
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