もっと俺を本気にさせて ( jump × jump )

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薮はいつもそうだ


どんな俺を見ても可愛いって





「 俺が女の子とポッキーゲームすると思う？ 」


「 だって…お前チャラいもん 」


「 え、ひかるいるのに？ 」


「 だって、おれ…… 」






たまに分からなくなるんだ


俺は薮のどういう位置にいるんだろうって


片想いのときでもこんなに苦しくなかったのに






「 あー、そっか。ごめん、ひかる 」


「 いや…俺のほうこそ 」





好きすぎてごめん


音じゃなくて、薮に塞がれて言えなかった言葉





「 あのね、ひかるが思ってる以上にひかるの事好きだよ 」


「 え、っと… 」


「 ずっと隣に置いていたいくらい 」





ぬくもりが離れて、肌寒い空気が空いた距離を埋める


長いまつげに縁どられた目はいつになく真剣


その代わりに凛々しい眉毛が下がってて






「 やぶ。…すき 」





もう一度ぬくもりの中に収まった


ありがとう


こんな俺を愛してくれて





「 ひかる、今日はベースの日でもあるんだよ 」


「 ふーん。そうなの？ 」


「 ん。だからさ、俺のために弾いてよ 」





ほんのり赤く染まった耳が可愛くて


渦巻いてた気持ちがすっと消えた





「 じゃあ、薮もギター持ってきて 」


「 えぇ… 」


「 セッションしたいの 」


「 ……すぐ戻ってくる 」





ドタドタとうるさく廊下を駆け抜けてった


ふふ、久しぶりだな





「 …ふぅ、ちょっと気温上がった？」





火照った体を冷やすために腕まくりして


ぽろん、と鳴った音は嬉しげに耳を響かせた






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