薮家は一家団らん。

26〔子供への試練〕しおの磁石さんﾘｸｴｽﾄ ページ26

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慧「いってらっしゃい」




宏太を送った後、俺は大貴と侑李を遊ばせながらちょっとした仕事をしてた。



昼くらいになって、少し重く感じる体。



慧「熱、少し高いだけなんだけどな。」



手に握られた体温計に表示されたのは微熱。



一応マスクをして、過ごしてた。



大貴「ままお風邪？」



慧「ううん。少し熱あるだけだから大丈夫だよ。」



大貴は気のきく子だから、俺のそばに来ておでこに手を置く。



侑李はまだ小さいからか頭の上にハテナを浮かべたように俺を見てる。



この時はまだ大丈夫だと言える余裕があった。



その次の日も、そのまた次の日も良くなることはなくて、



宏太「病院行くか？」



慧「大丈夫。...なんかあったら光に電話するから。ほら、仕事遅れるよ。」



宏太「...おう。辛くなったら早めに光に連絡しろよ。」



慧「うん。わかってる。」



この日も宏太を仕事に送って、大貴と侑李を見てた。



なんか、寒気がひどくて毛布にくるまってソファで座ってた。



微熱もずっと続いてる。



そして恐れていたことが起きた。



夕方。



夕飯の準備をしようと冷蔵庫の前にきた時、全身の力が抜けて、その場に倒れた。



割れるように痛い頭。ものすごく熱い体。



何より力が入らなくて起き上がれない。



慧「ﾊｧｯ...ﾊｧﾊｧ」



大貴「ま、ま？」



大丈夫だって言いたいのに声も出なくて、自分がパニックになって過呼吸になる。



侑李「っ、ぅ、うぇぇぇえん」



侑李は泣き出してしまうし、携帯は近くにないし。



やばいと思った。



寒いし、息は整わないし、



どんどん意識が朦朧としてきて、



そのまま意識を失った。



。

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