薮家は一家団らん。

23 ページ23

side,Kei



自分は悪くないと言い張る大貴。


侑李は大貴が謝らないからか、目に涙を浮かべていた。


慧「大貴。おもちゃは大貴のためだけに買ったものじゃないよ。


大貴と侑李が2人で遊ぶために買ったんだよ？


大貴が謝らないなら、全部いい子ちゃんの侑李にあげちゃおっか。」


大貴「大ちゃんお兄ちゃんだもん！お兄ちゃんが偉いもん。」


ああ言えばこう言う。


全く謝る気のない大貴を見かね、侑李のおもちゃ箱に大貴のおもちゃを入れていく。


大貴「大ちゃんの！ゆーりのじゃないもん！」


怒る大貴と呆れる俺。


抵抗されたって大貴よりは俺の方が力がある。


大貴が欲しいって言って買ってあげたレゴを侑李の箱に入れていたら


手を滑らせ蓋が空いた。


そしてレゴが入れ物の中からこぼれ落ちる。


慧「はぁ。」


大きなため息をつき片付けるのに、大貴は落ちたレゴを自分の方にかき集めるとそのレゴで遊び出す。


慧「大貴！」


大きな声を出すと、大貴も侑李も


離れたダイニングテーブルでスマホを見ていた宏太も


肩をビクつかせ俺を見た。


慧「大貴、全然お兄ちゃんじゃないね。侑李より赤ちゃんだね。」


大貴「赤ちゃんじゃない！大ちゃんお兄ちゃんだもん！」


慧「どこがお兄ちゃんさ！ちゃんと謝れない子は、お兄ちゃんでも何でもないよ。


わがままな赤ちゃんだよ。」


そういった俺を睨むと、大貴は持っていたおもちゃを握りしめ


俺に投げた。



。

24→←22

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す