幽霊になった理由�機覆Δ舛砲�いでよ） ページ23
side,Kei
ポカポカとした陽気。
太陽に当たりたくて、薮の部屋の窓際で
寝ようとはしてないが昼寝をしていた。
『やぁ。』
慧「俺が休んでると決まって出てくるね。」
床に寝っ転がっている俺は、立って俺を見ているあっくんを
下から見上げる。
少し雰囲気の変わったあっくん。
慧「大人になったね。」
『あっちの世界では歳を取るのが早いんだ。もう少しで慧も抜かせるよ。』
見た目20歳。中身それ以上。
面倒見がいいのか。精神年齢は確実に上だろう。
慧「俺寝る。」
『じゃあ、昔話してあげる。』
慧「うん。話してて。」
寝やすい体制に変え、あっくんの話に耳を傾ける。
あっくんは「よいしょ」と俺の隣に胡座をかき座った。
『昔昔、仲のいい四人家族がいました。
父は仕事が忙しく夜帰ってきて、朝早く家を出ます。母は専業主婦で息子2人の面倒を見ます。
兄はかっこよくて学校の人気者。おしゃれで頭は良くないけど、サッカーが得意でした。』
なんだろう。兄だけものすごく細かい。
あっくんが好きな本の話なのかな。
『ある日小さなことで兄と母が喧嘩をしました。怒った兄はそのまま家を出掛けてしまいました。』
「なんのお話なの？」そう聞こうとするけど、口は開かない。
あっくんが俺の頭を撫でるからか、眠気が襲ってきて目を閉じる。
真っ暗な視界の中聞こえてくるあっくんの声。
『その日、家で火事が起こりました。父と母、弟は逃げようとした家の廊下で火に囲まれました。
父は仕事を早く切り上げてよかったと微笑み母と弟を抱きしめます。
母は今いない兄に泣きながら謝ります。
弟は...』
モヤがかかったように音がはっきり聞こえなくなる。
あっくんの話は終わってないのに。続きが気になるのに｡
俺は睡魔に負け夢の中へと進んでいった。
『“兄さん。一人にしてごめんね。”そう呟きながら
いつか貰うはずだった、兄の帽子を力いっぱい抱きしめた。』
。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 227人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫チャロ(プロフ) - サクラさん» ありがとうございます。ボチボチ、頑張りますね。 (2017年2月28日 3時) (
レス) id: 1b288ff388 (このIDを非表示/違反報告)
猫チャロ(プロフ) - はるさん» ありがとうございます。 (2017年2月28日 3時) (レス) id: 1b288ff388 (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - チャロ君!!楽しみにしてました！これからも頑張って下さい!!お話しとても面白いです！ (2017年2月26日 6時) (レス) id: d7def24883 (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - 新作楽しみにしてました！どのお話もとても面白いです！ (2017年2月25日 22時) (レス) id: a3cc4ec245 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
