キ ミ に 口 づ け た い

流れてしまった時 ページ9

side,Kota




如月「で？」




宏太「いなくなったんだ。俺が高３の二学期に」



如月「いなくなったって？転校...とか？」



光「転校なんだけど、全く姿も見せずいなくなったんだよ
。


薮に最後“さようなら先輩”って言っただけ。俺らには何もなしにいなくなった」



宏太「その時伊野尾が住んでた家はもう売られてたんだよな。



何も残ってなくて、伊野尾って苗字もいないって言われちゃってさ」



如月「失踪ってことか。へー、お前も青春してたんだなぁ」



宏太「青春くらいするわ」



伊野尾か久しぶりだなぁ。



皆ショックで話すことすらなかったからな



如月「いのー...い、の、う？」



光「い、の、お」



如月「いのおか...覚えとこー」



今でも繊細に覚えてる



上着の下に青いパーカー着た伊野尾が一緒帰ろうって、言うから



一緒に帰ったんだよな、



別れぎわにさようなら先輩って



俺もじゃあなって手ふって



それが最後になるなんて思ってもなかったから、普通に別れの挨拶だと思ったのに



次の日、伊野尾に会いに行ったら、



伊野尾と同じクラスのやつに「伊野尾はもういないよ」って言われた



如月「よし！薮授業始まる前に図書室行くぞ」



宏太「え、ちょっ、待てよ！」



知らないうちに食べ終わってた如月に連れられて急いで食べる



宏太「じゃ、また」



光「おう」



そう言葉を交わした光が



光「まこっちゃんっていのちゃんに似てるんだよな、薮に引っ付いてるところとかさ」



って言ってるなんて俺は気づかなかった



.

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