キ ミ に 口 づ け た い

忘れられない姿 ページ13

side,Kota




あの時のおじさんがまた射的の屋台をやってた



雄也「あー！あの時の！」



大貴「花火のおじさんか！」



光「でた、あのじっさん」



宏太「じっさんって笑」



近づいてくと俺らに気づいて手を振ってくれる



おじさん「よう！今年も来ておったのか！」



宏太「ご無沙汰してます」



おじさん「いやぁ、もう高校生じゃないのか」



光「大学生」



大貴「あれから二年経ってるんだから」



おじさん「そうかそうか」



後から聞いた話、



このおじさんは結構えらい人だったみたいで、伊野尾のことも知ってるらしい。



おじさん「いやぁ、慧君がね今度また花火ちょーだいって笑」



雄也「え！いのちゃんが？」



おじさん「そうそう。１人じゃつまんないから、友達とまたやるんだ！って言っておってね



またあの時の花火あるんじゃよ」



ほれと見せてくれたのは、デザインは変わってるけどあの時と同じ花火のセット



宏太「おじさん、伊野尾と会ってるんですか？」



おじさん「いやぁ、ここ一週間はあってねーなぁ



この前あれだったからねぇ、かわいそうに」
　


え、ここ一週間は？



おじさん「先週の水曜日こっち来てて、花火の話したんじゃよ



また帰ってくるっていっておったけどなぁ」



光「帰ってきてたんだ」



大貴「今日きてないのかな？」



って俺もそう願ってる



この人混みの中で“先輩”って呼ぶ伊野尾がひょこっと出てこないかななんて



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