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「まさかAちゃんがこんなこと言い出すなんて…」
『今日だけね、特別。手痛そうだし』
シャカシャカと音を立ててシャンプーすると、ウォヌは気持ちよさそうに目を瞑った。湯船でうーんと伸びると鼻歌を歌い出した。
"ウォヌ、おいで!お風呂入れてあげる"
そう言うとウォヌはぽかんとした顔をしたあと、すぐにパアッとときめいた表情に早変わりした。腰にタオルを巻いてとしつこく言うとブーブー文句を言いながらも渋々承知してくれた。自分も濡れてもいいようにTシャツと短パンに着替えた。
「気持ちいー。Aちゃんに髪洗ってもらえるなんて怪我してよかった」
『猫の時はお風呂嫌いだったくせに。ほんと単純』
指先に力を入れて、ごしごしと洗う。
『力加減は大丈夫ですか?』
「はい」
『お湯加減も大丈夫ですか?』
「うーん、大丈夫なんだけど何かが足りない」
『あ、ほんとだ入浴剤忘れてたね』
そう言った瞬間、ウォヌがざばっと立ち上がって私を担いだ。
『え、えー!!!』
そして一瞬のうちにお湯の中に放り込まれた。
わけがわからず放心していると、なにが楽しいのかウォヌはシャンプーの泡を頭に乗せたままゲラゲラ笑っていた。
あまりにも楽しそうなので怒るタイミングを失った。頭からポタポタと雫が垂れる。
「Aちゃんが足りなかった」
『あ、あのー、もう全部びしょ濡れなんですけど…』
「お風呂と洗濯一気に済んでよかったじゃん」
『そ、そうか…確かにエコだよね…』
「一緒に風呂入りたかったから」
『強引すぎるでしょ…』
ケタケタと笑っていたのもつかの間、目にシャンプーが入ったと大騒ぎするので急いで泡を洗い流してあげる。
流し終わって顔をパッと手で拭うと真剣に見つめてくる。前髪を全部上げているからか、いつもと雰囲気が違う気がする。
「俺、Aちゃんの負担を少しでも楽にしてあげたいから、カフェの仕事も、ご飯も洗濯も頑張るから。今はまだ失敗ばっかだけど」
『ウォヌ…』
「いつもありがと」
そう言うと腕を背中に回してくる。
ウォヌは何も身につけていないから、心臓の音が直接伝わってきてくすぐったい。
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みぃ - ウォヌがかわいすぎて…。他のメンバーも出ていて、楽しませてもらいました!完結おめでとうございます! (2019年8月13日 12時) (レス) id: 5d20a0b4b9 (このIDを非表示/違反報告)
MIYAVI(プロフ) - この作品が本当に好きで、無性に読みたくなり3度目をあっという間に読み終えてしまいました。変態なおぬと、可愛らしい夢主さんにとっても癒されます。こんなに可愛いが詰まった作品に出会えて幸せです…。遅くなりましたが、完結お疲れ様でした!長文失礼しました。 (2019年7月8日 15時) (レス) id: a7bc1f7132 (このIDを非表示/違反報告)
ミバン(プロフ) - ユウリシャンexoさん» 温かいコメントありがとうございます!とても嬉しいです!今後も諦めずにぐいぐい来るミンギュとウォヌとの三角関係とかも楽しそうですよね。スニョンゆくゆくはカフェの常連になりウォヌと仲良くなるのかな〜と思っています!これからもどうぞよろしくお願いします^ ^ (2018年8月16日 0時) (レス) id: 29afe14193 (このIDを非表示/違反報告)
ユウリシャンexo - とっても良かったです!ウォヌかっこいいし、可愛いかったです。こんなウォヌも、いいかもしれません。ホシ(スニョン)も良かったです。ちなみに、ミンギュもです。そして、完結おめでとうございます!そしてありがとうございました!またセブチメインの小説待ってます (2018年8月14日 10時) (レス) id: 118165da57 (このIDを非表示/違反報告)
ミバン(プロフ) - ひま。さん» ひま。さま コメントありがとうございます!何回も読み返して頂いているとのこと、本当に本当に嬉しいです(ToT)少しでも楽しんでいただけるように、また長編も書きたいと思いますのでこれからもどうぞよろしくお願いします^ ^ (2018年7月30日 23時) (レス) id: 29afe14193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ミバン | 作成日時:2017年12月24日 2時