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「… … …だが、____君がいた。」
『わ、たし。』
真っ直ぐな視線で貫かれ、私は身動きが取れなくなった。
彼は珍しい笑みをふっとこぼした。
「何度拒絶されようが、
…私を理解しようと努力する君がいた。
寄り添おうと言葉を尽くす君がいた。
守ろうと身を粉にする君がいた。」
そんな大層な言葉で示すほどのことなんて私は何もやっていない。ただ、教授の力になれたらと、そう思っていただけだ。
でも彼は、そう思うだろう私を見透かして、首を軽く振った。
「そんな者からの言葉を無下にするなど、愚かにも程があろう？」
『でも、そしたら、ブラックのことは…』
「ああ、今でも…悩んでいる。密告しなかった選択肢が正しかったのかを。」
そう言う彼に眉をぎゅっと寄せると、彼はふと笑って私の頭に手を乗せた。
「だが、今、この瞬間は、これでいいと、そう思う。」
『後悔、しませんか？』
「愚問だな、殺したかったと言わなかったか？」
彼は笑ってそう返した。私も眉を下げて少しだけ笑った。
彼は息をふうと吐いて、私の頭から手を離す。
「君を、監視の仕事のパートナーに選んで良かった。」
それは、何より嬉しい言葉だった。
1年時はクィレルの昏倒呪文で倒れ、2年時はリドルの相手で精一杯、3年時はパトローナスを欠片も出せない。自分が彼の役にたっていたのか不安だったからこそ、私は酷く安心した。
『私も、…私もそう思います。』
精一杯の言葉を伝えれば、彼の瞳は緩んだ。
すると、彼は少し俯いて何か考え込んでいる様だった。
私がそんな彼を下から覗き込むと、目が合った。
『教授？』
「私の過去を知りたがっていたな。」
『人聞きの悪い…。』
「何だ、違うのか？」
『いえ… …。』
少しだけ気まずく感じて、私が視線は視線を逸らす。
もちろん知りたい。知りたいというか、貴方のことを理解してあげたいのだ。
「いつかは話す。」
『えっ！』
「いつか、だ。」
『えぇ… …。』
信頼を感じる言葉に飛び上がるも、話を聞けなそうな″いつか″の強調に私は肩を落とす。
「時間が要る。」
『お婆さんになっても待ちますからね。』
「君がその年齢の頃、私は死んでいるでしょうな。」
1人の大人と、大人への階段をかけ登っている生徒が笑い合う。
きっとこれは、勘違いなどではなく。
彼らは信頼という絆で確かに結ばれていた。
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
