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森へと入ったはいいものの、ブラック達もポッター達も見失ってしまった。深夜の森は静まり返っていて、一層不気味に映った。
その時、キャンキャン、という甲高い声が聞こえた。おそらく、ブラックの声だ。
暫く甲高い声は鳴き続けていたが、突然ぱたりとやんだ。
木が擦れ合う音だけがざあざあと響く。
その時、砂利が擦れる音が微かに響いた。
『
咄嗟に杖を取りだし、麻痺呪文を放つ。
目に微かに映った揺らめく影は、狼人間となったルーピン先生だった。
まさか、教授以外に初めて対峙するのが狼人間だなんて。彼に噛まれたら、私も同じ運命を辿ることになる。
杖をぎゅっと握り直した。
木々を飛んで移動する彼を必死に目でとらえ、隙を狙う。
『
呪文は命中し、彼の腕から胸にかけて鮮血が飛び散り、呻き声が聞こえた。その声に罪悪感を感じていると、彼は間髪入れず飛びかかってくる。
防衛呪文はすんでのところで間に合い、冷や汗を流す。
頭から出血していたせいか、スタミナもあまり持ちそうにない。
小さい呪文でいなしていても、私が体力切れになってしまいそうだ。
ここは、大技で仕掛けるしかない。
ふう、と息を吐いて私は杖を構える。
『
めきめきと周囲から音が反響する。全身の血が沸騰しているかのように体が熱い。これ以上の負荷には耐えらないと、本能が拒んでいる。
辺りの木々は根っこを足として、彼へと近づいた。
それを掻い潜りながら、私の元へと飛びかかるが、木の枝がするりと伸びてきて、彼の体へと巻きついた。
次々に枝は彼の体に巻き付き、4重、5重と巻かれた所で、彼の体は木と木のあいだへ押し込まれた。彼の体が見えなくなるほどに木々は彼を取り囲み、やがて私は杖を下ろした。
杖を下ろした瞬間、目の前がぱちぱちとした光で弾けた。そして、強い頭痛と気だるさが私を襲った。
彼を取り囲む木を背もたれにして、丸い月を見た。
『ああ、ポッターを助けることを計算に入れてなかったわ…。』
もう、体はへとへとで立ち上がれそうもなかった。ポッターは無事だろうか、いや、ここまでやったのだから無事でなければ許さない。
そう月をぼうっと眺めていると、突然月の光が遮られた。
「遅くなった。」
『全然、むしろ早いくらいです。』
息を切らした教授に私はできる限りの笑顔で答えた。
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
