32 ページ34
「ルーピン、教授という立場で君も他の生徒と同じように彼女に近づいたというわけか。」
教授はぎらりとルーピン先生を睨んだ。
ルーピン先生はそんな視線を意に介さず、ただ笑みを深くした。
「おかしいな、誰よりも気に入っているのは君だと思うけど」
その言葉に教授は眉間の皺を深くした。
私はルーピン先生につい耳打ちした。
『ちょっと、謝罪して下さいって言いましたよね？』
「勿論したよ。でも最近色々あってね…それに、馬が合わないのはしょうがないだろ？」
私がルーピン先生に耳打ちしていると、教授はそれを面白くなさそうに見つめた。
「″A″、こいつは危険だ、と警告したはずだが？」
『え？あ、ええと、ルーピン先生の″事情″はもう知っています。』
名前を突然呼ばれたことで狼狽えながらも、私は彼を見返す。
すると教授は驚いたように目を開いた。
「なに？」
『薬作ってましたし、ポッターがそれを渡していたのを見たと。…あ！もう授業なので、それでは。』
待て、という声を振り切って私は教室へ急いだ。
ただ、″そうだな″と教授が発したその四文字がうれしくて、足取りが少しだけ軽やかになった。
それから数日後、ポッター達に「A、バックビークが処刑されちゃうって…」と打ち明けられた。
実はドラコには内緒でルシウスさんに処刑を取りやめてくれないかという書状を送っていたのだが、彼らの反応を見るにそれは拒否されたらしい。
私は複雑な心境だった。
ドラコを傷つけたのは事実、でも処刑されるほどのことでもない。そのふたつの気持ちの間で揺れ動いていた。
『ごめんなさい、やれることはやったのだけど…』
私がそう言うと、彼らは私を責めもしないでただそっか、と零した。
同じ週の土曜日にグリフィンドールとスリザリンとのクディッチ戦があることから選手の熱は高まっていた。
特にドラコはポッターへの私怨もあることから、躍起になっていた。
「僕、苦手だな〜。こういう雰囲気」
そんな寮同士の緊張が高まっている中、私とザビニとセオドールは談話室にいた。もちろん私達もドラコのサポートなどはしているのだが、パンジーが私に任せて、と彼に付きっきりでいるため、私達の過度なサポートは不要だろうという話になった。
『なぜ？』
私は本をめくりながらザビニに聞いた。
「こう、無責任に期待だけが積み上がっていく感じ？まあ、僕は選手じゃないけどさ。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
