26 ページ28
数日後、クリスマスの日がやってきた。
珍しく昼時に起きた私は周囲を見渡した。
相変わらず、部屋はプレゼントで埋もれていたが友人たちのプレゼントを取りだし、梟でお礼の手紙を送った。
クリスマス休暇のため、みな帰省しており寮に残っている者は私を入れて数人しかいなかった。
ドラコにうちに来ないかと誘ってもらったが、パンジーやアステリアが思いを寄せている手前、簡単には行けないと断った。
『はぁ…』
人知れずため息が出てしまった。
このため息が、ポッターの監視の疲れ、ブラックへの警戒、私が教授に抱きつつあるあの醜い感情、どれによるものか私には分からなかった。
『行こう。』
行動すれば気も紛れるだろう。そう思い、昼食を取りに大広間へ向かった。
「おお、遅いぞA。メリークリスマス！」
そう言って迎えたのは校長先生だった。
大広間は殺風景になっていて、中央にテーブルが一つ、そして13人分の食器が置かれていた。
校長先生、マクゴナガル先生、教授、スプラウト先生、フリットウィック先生などが椅子に座っていた。ルーピン先生は居ないようだ。また、ポッターやウィーズリー、ハーマイオニーもその机についていた。
さあ、お座りと言われ、私は空いていた教授の隣、中央の席へと座った。
「クラッカーを！」
校長先生がはしゃいでクラッカーの紐の端を教授にさし出した。
教授がしぶしぶ受け取って引っ張った。大砲のようなバーンという音がして、大きな魔女の三角帽子が現れた。
教授はその三角帽子を校長先生に押しやった
「さあ、どんどん食べましょうぞ！」
校長先生は笑顔でみなを見渡した。
私は先程起きた事もあり、あまり食欲は無かったものの、折角なので七面鳥1切れと少量のサラダを取り分けた。
ゆっくりと食事に手をつけていると、横から「…それだけなのか？」と声が飛んできた。
『あまりお腹すいてなくて。』
苦笑しながら教授の方へ向くと彼は片眉を上げた。
「私に健康がどうたらと講釈をたれていたのはどこの生徒だったか。」
『… …返す言葉もございません。』
そう言うと教授は勝ち誇ったように笑った。
そういえば、こんなにも大人数で食事をとったのは初めてだった。
そう思いながら周囲を見渡している私に気づいたのか、教授は「落ち着かないか？」と気遣わしげにこちらを見た。
『いいえ、たまにはいいです。こういうのも。』
そうか、と彼は薄く笑って目を伏せた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 188人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
