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似合わないことはするものでは無い、何故こんなことをしてしまったのかと、激しく後悔していた。
魔法界の店では目当てのケーキは見当たらず、マグルの店を5店舗も周ってしまった。
彼女を指導している最中も集中しきれず、どう渡そうか、なんと理由を答えようかと、そればかりで頭がいっぱいだった。
そう、間違いなく後悔していたのだ。
『この、ケーキは…』
少しだけ声が震えている彼女は、こちらを真っ直ぐに見ていた。その瞳は若干潤んでいま。
「誕生日ケーキが食べたかったと、そう言っていただろう。」
確認するようにそう言えば、彼女はより一層目を潤ませた。
意外と本質的なところで言えば、彼女は涙脆いのかもしれない。
後ろを向いて、涙をぬぐった彼女は振り返って私に笑顔を見せた。
『とっても、…とっても嬉しいです、教授』
「__ああ。」
思わずほっと息を吐いてしまいそうなそんな綺麗な笑顔だった。ホグワーツ生の多くが彼女に恋に落ちるだのなんだのと生徒の噂が耳に入ってくるのも、概ね納得するような。
私は杖を振り、ケーキに切れ目を入れ、皿の上に置いた。
それを少し見たあと、彼女はケーキの乗った皿を持って私の隣へ来た。
『教授も一緒に食べましょう。』
… …そのような笑顔で言われて、断れる者がどこにいようか。少しだけため息をついて、頷いた。彼女は私と同じように杖を振り、私の分も用意した。
彼女は小さく手を合わせて、いただきます、と言うと、フォークにケーキ1口分を乗せてそのまま口に運んだ。
『… …おいしい。』
噛み締めるように、彼女は声を出した。そして、一筋の涙を流して、私に向き直った。
『美味しいです、今まで食べたケーキの中で、いちばん。』
「…大袈裟だな。」
ふたつの笑い声が小さな部屋に響いた。
ケーキを食べると、甘酸っぱく、ほのかな苦味が口内に拡がった。我ながら良い買い物をしたようだ。
『甘いものが好きかって、この事…』
好きな女性に送るとでも…と更にこぼした彼女に、つい何を言っている、と抗議した。そんな者、いる筈がない。… …もう、いる筈がないのだ。
悪戯っぽく笑う彼女は、あ、と声を出した。今度は何だ、と聞くと彼女は唇を弓なりにした。
『教授、誕生日の特権でもう一つだけ、お願いしてもいいですか？』
そこはかとなく嫌な予感がしたが、とりあえず言ってみろと言葉を促す。
『私をAと、そう呼んで欲しいです。』
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
