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相変わらずの夢見の悪さに辟易しながら、私はベッドの上で体を起こした。夢と同じ景色が広がる。あの時と180度変わってしまった状況には未だ慣れずじまいで、孤独を感じた。
私が「セルウス」と宙に向かって呼びかけると、我が家の屋敷しもべ妖精が姿を現した。
「お嬢様、おはようございます。」
『おはよう、聞きたいことがあるのだけれど。私の母の本当の名はナタリアという名前なの？』
セルウスの様子を伺う。彼は私を訝しむようにじっくりと見て、目をぱちくりと瞬かせた。
「寝ぼけていらっしゃる様ですね。ご主人様のお名前はピオーネ様です。」
『本当に？過去母から聞いたことがあるわ。貴方は私が産まれる前から母に仕えているのでしょう？…何か、隠していない？』
「滅相もございません。」
セルウスは両手を顔の前で否定するように振る。それでも暫く彼のことを見つめると、セルウスは頭を下げた。
「何卒ご容赦を。もし、隠し事があったとしても私には来るべき時に話す事しか出来ません。」
母から何も言うなとでも命じられているのだろうか。私は溜息をつき、ベッドから腰を上げてリビングへと向かう。その隙にセルウスに新聞を持ってきてもらうよう頼んだ。
『来るべき時が来なかったら、私はただ無知でいろと？』
不満を零しながら、ソファへ体を沈みこませる。じきにセルウスが新聞を持ってきて、私はそれに目を通した。
新聞には、″未だブラック逃走中″という記事が載せられていた。13人も人を殺したアズカバンの囚人、シリウス・ブラックが指名手配されているらしい。
成程確かに、人を殺していそうな凶悪な顔つきだった。
私はその記事を流し見した後に、セルウスが用意した朝食へ手をつけた。いくら凶悪な囚人だとしても、ホグワーツほど安全な所は無いのだから、私にとって全く無関係な話だった。
それから私は事前に荷造りして置いたスーツケースを玄関まで引いた。
『それじゃ、セルウス、またね。』
「はい、行ってらっしゃいませ。」
9と3/4番線のホームは魔法使いでごった返していた。人の合間を縫いながら、私は何とか列車に乗り込み、空のコパートメントの椅子に腰を下ろした。
それからすぐに列車が動き始めた。
それとほぼ同時に私の座っていたコパートメントのドアが開かれた。
「突然ごめんね。どこも満席で…良かったら座ってもいいかい？」
現れたのは、絵に書いたような好青年だった。
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猫田(プロフ) - ななおさん» ありがとうございます！コメント本当に励みになります。これからも面白いと思って貰えるようなお話かけるよう頑張ります！ (2月21日 1時) (
レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななお - アズカバンの囚人までお疲れ様でした‼︎毎回面白くて楽しく読ませてもらってます。これからも作者様のペースで頑張ってくださいね (2月21日 1時) (レス) id: cf12d55d58 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - ななしさん» ありがとうございます！お休みでフレッシュした分1層頑張ります (2月18日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お疲れ様です😆🎵🎵気長に❤️ (2月14日 8時) (レス) @page41 id: 9b994bebe6 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - みぃさん» 嬉しいです！ありがとうございます (1月28日 22時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2024年1月9日 9時
