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5_preparation before saga ページ5

何も知らないウィルは突然前に出されたボロボロの布切れをまじまじと見つめる。



「…これがエリザベスを救うんだな?」



未だ信用しきれない様子でジャックに問うウィル。まあ長いことジャックと付き合っていると疑心暗鬼にもなるか、と内心苦笑する。


「ああ。…デイヴィ・ジョーンズについて何を知ってる?」


私の予想通りだった。鍵の絵、陸に行こうとしたこと、そして異常なまでのジャックの怯え方。それらは全てデイヴィ・ジョーンズに関係していた。


「…わからない。」

「ならいい、とにかく、こいつがエリザベスを救う。」


なんとなく、これからジャックがしようとしている事が予想できた。波は荒くなっていく、これから起きようとしていることをまるで拒んでいるかのように。












川の上流近くまで来たのでブラックパールを沖に止め、ボートに乗り換えて川の上流を目指す。


ゆったりと進んでいくボート。私はウィルとギブスがする会話に耳を傾けていた。


「ジャックは、何で沖に出ることをあんなに恐れてる?」


「デイヴィ・ジョーンズが操る怪物がいるんだ。巨大な触手で顔を吸い取っちまう。そして船を暗い海底へと引きずり込む…クラーケンだ。」


ギブスが身振り手振りを使って恐ろしくクラーケンを表現すると、ボートに同乗していたクルー達も身震いする。


「救いとなるのは、あの鍵?」


「その答えを知りたくて、ジャックはあの女を訪ねようとしてる。」


ギブスのその言葉でここがどこだかようやく鮮明に思い出す。そうか、彼女はあまり得意じゃない部類なんだけれど。



ゆったりと進んでいたボートはようやく目的地についたようだった。そこは小さな古びた小屋。来たのは確か二度目になる。


「心配するな、ティア・ダルマとは昔からの知り合いでね。」




私もジャックの後ろへついて行き、開かれたドアをくぐる。数々のランプがそこかしこで淡く部屋を照らしている。


「ジャック・スパロウ…。」



「ティア・ダルマ!」




蛇が這うような声でジャックを呼んだ女こそが、ジャックの言っていたティア・ダルマその人。
目の周りが浅黒く、唇も同じように黒く染まっており、近寄り難い雰囲気を醸し出している。

ちらりと部屋に目を向けると藁人形や奇妙な薬が吊らされたり、置いてあった。
今すぐ海に戻りたい、と私は深いため息をついた。









preparations before saga

6_good-bye, Jack→←4_each expectation



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猫呼び - デッドマンズ・チェスト攻略!ラストはとくにバルボッサ好きにはたまりませんね!ジャック多め故の再会の引き立ち様が素敵です。個人的に今作はジャックが可愛いかった…!作者様への感謝と共に続編へ行ってまいります! (2019年3月19日 22時) (レス) id: 7ba933280f (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - まるごと林檎。さん» のんびり更新に着いてきてくださって感謝しかありません…!お褒めの言葉嬉しいです…!ありがとうございます! (2018年8月22日 11時) (レス) id: e5d9246f57 (このIDを非表示/違反報告)
まるごと林檎。 - 久しぶりの更新、ありがとうごさいます!ジャックの心情がすごく伝わってきました!これからも頑張ってください! (2018年8月22日 9時) (レス) id: f2a1eaf862 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 天ノ江さん» 約一年越しの返信となってしまいすみません!ありがとうございます!最高の褒め言葉をありがとうございます、バルボッサの魅力を引き出せるよう今後も頑張って行きたいと思います! (2018年8月22日 5時) (レス) id: e5d9246f57 (このIDを非表示/違反報告)
天ノ江(プロフ) - すごく面白くて、一気に読んじゃいました!この作品を読んで更にバルボッサが好きになりました(笑)更新頑張ってください!応援してます! (2017年9月14日 1時) (レス) id: 49f85c03a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:猫田 | 作成日時:2017年9月5日 1時

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