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戸をくぐると、私の中の嫌悪感はより大きくなった、気がする。クッションに載せられたしなびた手、血染めのトランプ、天井からは錆ついた刺だらけの道具がぶら下がっている。
ルシウスさんは周囲を気にせずに店の奥へと進んでいき、ドラコは真逆で色んな商品に目を奪われて、その中でも10数人のマグルの命を奪ったという″呪いのネックレス″にそろりと手を伸ばしていた。
『ドラコ、ダメよ。』
「…っわかってる。」
私が軽くドラコの手を抑えると、彼は手を引っ込めた。
そして彼は私の方をふっと見て、すぐに目をそらす。
「父上が、競技用の箒を買ってくれるって言ったんだ。」
私は突然の言葉に目をひと瞬きした後に、そうなの？良かったね、と言葉を続けた。彼にとって父が箒を買ってくれるなんて嬉しい事この上ない筈なのに、何故か彼の顔は暗い。
ドラコの口が何かを言いかけるように開いたり、閉じたりする。けれども肝心の言葉は喉から出てくれないようだった。
そして、彼は逸らした瞳を私に合わせた。
「…僕は、クディッチの選手になれると思うか？」
ああ、そうか。彼は不安なんだ、マルフォイ家の息子として期待に応えられるのか、父に失望されないか。選手になれる確信がないから。
私は彼に笑いかけて、彼が一番欲しい言葉をかける。
『勿論、ドラコ以外には考えられないわ。』
これは私の本心からの言葉だった。体力が無く、飛行術の成績も平均並みの私にとって彼はこれ以上なく選手に適していると思っていた。
「そうか。」
『そうよ。』
私達は店主と何かしらの交渉をするルシウスさんの邪魔にならないよう、こっそりと笑いあった。
そんな時、後ろから視線を感じぐるりと後ろを振り返る。が、そこには黒いキャビネット棚しかなく、丁度用事を終えたルシウスさんと共に店を出た。
その後、ドラコの箒を買ったり、ドラコの″Aは呪文学にお熱なんだ″という発言を真に受けたルシウスさんが、応用呪文術集を買ってくれたり、とダイアゴン横丁を満喫した。
そして、本題である教科書を買いにフローリシュ書店に私たちは訪れたところで、先に歩く2人に対して私は店の前で足を止めた。
″サイン会 ギルデロイ・ロックハート 自伝「私はマジックだ」″
確か、呪文学の著者名ギルデロイだったような…。私は何となく嫌な予感を感じつつ、店の中へ足を踏み入れた。
そして、この嫌な予感は見事に的中していたことを数秒後知るのである。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
