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彼の声は震えていた。彼は改めて私を見た。
「僕は、本当は嫌だった。こんなこと考えている時間が無駄だと思った。でも、君と、Aと、こうしてまた話したくて、」
そう言葉を途切れさせたドラコは、視線を下に外す。
『頑張ってくれて、ありがとう。私も身勝手にドラコに怒ってしまってごめんなさい。勇気を出してくれたこと、本当に嬉しい。』
私が柔和に笑いかけると、ドラコは安心したように息を吐いて、涙を我慢するように唇を噛んだ後、私と同じように笑った。
『じゃあ、早速明日の朝マーカス先輩に言う言葉でも考えましょうか！』
「…マーカス先輩！」
明くる日の朝、私は夜更かしをした事でいつもより重たい瞼に鞭を打ちながら、彼のことを見ていた。
「ドラコ…何の用だ？シーカー、辞めるか？」
「いえ、昨日は…すみませんでした。僕の不甲斐ない、プレーのせいで、チームを巻き込んでしまって…」
頑張って、ドラコ、と視線を送っていると、私の肩にぽんと手が置かれた。その手の主を見ると、それはザビニだった。
「でも、続けさせてください。僕は、シーカーは僕にしか出来ないとそう思っています。悪かった所全部改めます、次の試合では必ず結果を出します。」
ドラコはもう一度お願いします、と頭を下げた。
マーカス先輩は、彼の彼らしくない真摯な姿に驚いているようだった。
暫くの沈黙が、談話室を包んだ。
「その言葉本当かどうか、確かめてやるから。必死でやれよ。」
マーカス先輩はそう言うと、談話室から出ていった。
ドラコはその場にしばらく立ちすくんでいたが、私に視線を向けた。
私が頷くと、彼も笑って頷いた。
途端、談話室にいた生徒がドラコを揉みくちゃにした。
彼の真摯な姿にあてられて、良かったなと彼を囲んでいた。
「ほら、言ったろ。君なら何とかなるって。」
『無理させてしまったけど、頑張ってくれたの、ドラコが。』
「…そう。」
ザビニはまた、ドラコに目を戻した。
私は視界の端で、セオドールが階段から降りてくる姿を捉えた。
彼は、本を持ちながら、私の近くのソファに座った。
『ザビニ、セオドール、ありがとう。色々と。』
「君の笑顔が見れただけで、満足だし、いいよ。」
「お前が厄介事持ち込むのはいつもの事だ。」
『本当に、ありがとう。』
友人達の彼ららしい気遣いと言葉に、私はまた笑を零した。
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マニ。(プロフ) - 猫田さん» ✉️。わかりました！これからも更新応援してます！ (1月5日 15時) (
レス) id: b32654e3a5 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - マニ。さん» ありがとうございます！お気持ちは大変嬉しいのですが、今はこちらの作品の更新に集中したいと思っているので失礼ながら遠慮させて頂きます;; ですが、お話したいと思って下さって凄く嬉しかったです！ありがとうございます (1月5日 15時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - もちもちさん» ありがとうございます！亀更新ですが、よろしくお願いします (1月3日 4時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - とっても面白いです！作者様のペースで更新頑張ってくださいね！ (9月18日 15時) (レス) id: c72e216da9 (このIDを非表示/違反報告)
猫田(プロフ) - 箱さん» こちらこそ、読んで頂けて嬉しいです！ありがとうございます (2023年2月25日 14時) (レス) id: 922d1d8c49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：猫田 | 作成日時：2023年2月9日 21時
