黒い靄。 3 ページ36
朝「Aちゃんあの2人とも仲良しなの〜？羨ましぃ〜！」
『いや、水上さんは今日会ったばかりだし、仕事の先輩だよ。』
気づけば朝陽の声はいつも通りに戻っていた。
朝「ていうかぁ、Aちゃん、テレビ出てたんだ！」
朝陽は「さがせば出てくる？」なんて言いながらスマホで早速検索をかけ始めた。
ご丁寧にフルネームで打たれた自分の名前の後ろには【高校生クイズ】と予測変換された。
『そんなもの調べなくたっていいじゃん…』
過去の自分は大っ嫌いだ。
あの時の嫌悪感、不信感、敗北感、全ての負の感情が湧きだすようだった。
表示されたページには【どこへ行った！？超新星の如く現れ消えていった天才高校生！】なんて見出しをつけられたサイト。
下には、何枚もの過去の自分の画像が表示される。
朝「…髪長―い！全然違うじゃん！！それになんか、この時のAちゃん、なんか怖いし、陰キャみたーい！今と全然違う！！」
嫌なことを思い出したのに加え、どこか胸をえぐられるようなことを言われ、散々だ。
朝「ていうか、2人の間に秘密はなしって言ったのに！！」
朝陽はそう言うと、漫画に出てくるキャラクターのように頬を膨らませた。
『ご、ごめん。あんまりいい思い出じゃないから言いたくなくて…』
朝「もう、そうやって！Aちゃんはなんも私に言ってくれない！全部全部秘密って！！オフィスの場所も教えてくれないし、仕事場の人ともかかわらせてくれないし！！」
自分の中で何かが弾けた音がする。
この子、どこまで自分の中に踏み入ってこようとするの…？
ていうか、なんでそこまでQKの情報に執着するの？
ホントこういう人って…
『…めんどくさい』
朝「…は？なにそれ？」
声に出ていたのかもしれない。いや、出ていたんだ。
さっきまでかわいい女の子だった朝陽の表情は、みるみるうちに冷たいものへと変わっていく。
朝「…アンタ、ホント使えないわ…。せっかくいいところまで行ったのに。もういいわ。」
スッとベンチから立ち上がり、朝陽はスタスタとその場から去ろうとしていた。
『ちょっと…』
離れていく朝陽を呼び止めようとしたが、うまく声が出ない。
胸のどこかであの時と同じような黒い靄が浮かびあがってきているようだった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 275人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おいら。(プロフ) - みなみさん» そうですね…今回のことについてはやるせない気持ちでいっぱいです…。まずは目の前のことに挑戦し、また皆様に楽しんでいただける作品を作れるよう、努力してまいります!ありがとうございます! (2019年10月12日 22時) (
レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
みなみ - マナーと言うか、モラルない人って居ますからねぇ….…。フォロワーさん達と「バカなのかな？」って話してました(苦笑)ご本人達が見て、良い気はしないでしょうに。ゆっくり考えて判断なさってくださいね。 (2019年10月9日 1時) (レス) id: 1c715d90c6 (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - かなとさん» ご指摘いただき、ありがとうございます。確認不足のため、つけたままでいました。以後このようなことがないよう、十分な確認をしていきます。ありがとうございます。 (2019年8月30日 1時) (レス) id: c936dc85f7 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面の関連キーワード入力の下をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年8月30日 1時) (レス) id: f69f2bbdbd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おいら。 | 作成日時：2019年8月30日 0時
