Quizはすべきじゃなかった。2 ページ6
月日が流れ、怒涛の快進撃を見せつけあっという間に決勝戦を目前にしていた。
舞台裏では決勝戦で戦うチームたちが最後の大詰めをしていた。
自分はあまり相応のしても意味がない人だと知っていたのでイヤホンから流れる音楽に体を揺らしていた。
Twitterには自分宛ての応援リプいくつも届いていた。見れる範囲のものに目を通し、全体に向け、「最後まで、やれるところまで、頑張ってきます。」とつぶやいた。
永「A、ちょっといいか。」
さっきまでかじりつくかのように参考書?を読んでいた永田に呼ばれた。
『何?自分はリラックスして挑みたいんだけど…』
永「最終問題、俺に譲ってほしい。」
ここまでの回答数は、自分が飛びぬけていたことは知っていた。
それによる同情なのかわからないけれど、永田の要望を聞き入れた。
聞けば、永田には想い人がいるらしい。
その人へ向け最終問題で答える自分の姿を見てもらいたいのだという。
なるほど、そういう事か。
一瞬モヤっとしたものが心を覆った。
今までとはけた違いの難題にどのチームも歯を食いしばっていた。右隣の隣の3位が確定したところで最終問題となった。
この問題を取れば1位が決まる。
しかし、この時の自分には1位なんて称号はどうでもよかった。
『自分はきっと利用されたんだ。』
ただそれだけだった。
「問題!」
読み手の声なんてもう聞こえちゃいない。あぁ、来る。さぁ見せてくれ。
自然とボタンから手が離れる。
「ピンポーン!」
時に永田がボタンを押した。
「ブッブー!!」
あっけなく散った。たった一回のミスで散っていった。
周りから見たらそれは悲劇だと口をそろえて言うのだろう。
それが自分にとっては今にも腹を抱えて転げまわるくらいの喜劇に見えて仕方なかった。
あぁ、可笑しい。無様な姿だ。
自分のことを利用したからこんな目に合うんだ。
しかし、そんな気持ちは長くは続かなかった。
優勝チームへの祝福や敗退したチームへの慰めの声などが会場中を埋め尽くしていた。
永「A…ありがとう…」
『あぁ、とってもおもしろかったよ』
永田の声など聞こえてなんていなかった。
今まで答えてきたものは、全部コイツのためでしかなかったんだ。
クイズが悪いわけじゃないけど、もう二度とこんな思いはしたくない。
利用されてするクイズなんて、つまらない。
優勝チームを移すカメラに向け深い闇を見せつけるかのように視線を送った。
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おいら。(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!実は自分も結末は探り探りでして...!ぜひこれからも楽しんで頂けるとありがたいです!ご愛顧のほどよろしくお願いします!! (2019年8月28日 17時) (レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - どうなっていくか気になります。、河村推しとしては最高でした!儚い感じも含めて河村さんなんですよね (2019年8月28日 10時) (レス) id: bdb71ec1a3 (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - 晴夜さん» ありがとうございます!Pコンビの友情にはいつも感動しております…!自分の作品でそれが伝えられるよう精進敷いてまいります!更新ペースも落とさないよう頑張りますので、これからもご愛顧のほど、よろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: c936dc85f7 (このIDを非表示/違反報告)
晴夜 - 初コメ失礼します!此方河村さん推しなもので…!pコンビの愛を感じますね…はい!これからも楽しみにしてるので自分のペースでがんばって下さいね!応援してます (2019年8月26日 21時) (レス) id: 58376c201f (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - grayさん» ありがとうございます!!!これからもご愛顧のほどよろしくお願いします! (2019年8月26日 17時) (レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:おいら。 | 作成日時:2019年8月19日 10時