僕らの荷物。 kwmr side ページ44
冷たい壁に囲まれ、何もない暗闇に独りで閉じ込められてるかのような。
誰にも期待されてなんかいない。自分の存在意義が見当たらない。
誰を頼ればいいのか。誰に助けを求めていいのか。
誰も僕を見てくれていない。僕には誰もいない。
僕は何にもできない。
しかし、今日は違った。
まるで全身に温かな日差しを浴びているかのよう。
心地の良いリズムで頭を誰かに撫でられている。
いれたてのコーヒーの香りと混ざる柑橘類の香り。
全てが僕を包んでくれてるかのように。
「…ん…」
『…河村さん？』
「……おはようございます…」
『おはようございます。』
LEDの明かりに目を細めながら、僕の顔を覗き込む彼女の顔を確認する。
無駄なことなど一切言わず、僕のことを気遣いながら挨拶を返してくれる。
「寝てしまっていましたか？」
『そうですね、1時間くらいは。お休みになれましたか？』
「少し、体が痛いです。」
『床硬いですからね。クッションとかお渡しできればよかったのですが…』
彼女はそう言いながら、僕から服のすそに目線を移す。
僕の手がしっかりと彼女の服のすそを握っていた。
寝ぼけたとは言え、僕は一体何をしてるんだ。
素早く彼女の服から手を離した。
「…すみません。」
『いえ、お気になさらないでください。なにかお水とか持ってきましょうか？』
微笑みながら彼女は立ち上がり、ドアノブに手をかける。
「……独りに…しない…で…」
『え？』
「…一緒にしばらく居てください…。」
自然に口からこぼれ出ていた。
きっと今僕一人になってしまったら、またあの暗闇に落ちてしまう。
怖い。怖くて仕方がない。
あぁ、こんなことを言ってしまったら彼女を困らせてしまう。
分かっている。怖い。嫌われたくない。怖い。
『もちろんです。一緒にもうしばらく休憩しましょうか』
ふんわりとした優しい声が僕の耳に届く。
顔を上げると、先ほどよりも柔らかく、優しく微笑んだ彼女が僕を見つめていた。
「…ありがとう…ございます…」
受け入れてくれた。
助けを求め、それにこたえてくれた。
それだけでも救われたのに、それでは言い表せないくらいの幸福感に包まれる。
それはきっと、救ってくれたのが彼女だからだろう。
僕の隣に座りなおした彼女は、何かを絞り出すかのようにぽつりとつぶやいた。
『河村さん、少しお話きいてもらってもいいですか？』
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おいら。(プロフ) - あかねさん» ありがとうございます!実は自分も結末は探り探りでして...!ぜひこれからも楽しんで頂けるとありがたいです!ご愛顧のほどよろしくお願いします!! (2019年8月28日 17時) (
レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - どうなっていくか気になります。、河村推しとしては最高でした！儚い感じも含めて河村さんなんですよね (2019年8月28日 10時) (レス) id: bdb71ec1a3 (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - 晴夜さん» ありがとうございます！Pコンビの友情にはいつも感動しております…!自分の作品でそれが伝えられるよう精進敷いてまいります!更新ペースも落とさないよう頑張りますので、これからもご愛顧のほど、よろしくお願いします! (2019年8月26日 22時) (レス) id: c936dc85f7 (このIDを非表示/違反報告)
晴夜 - 初コメ失礼します！此方河村さん推しなもので…！ｐコンビの愛を感じますね…はい！これからも楽しみにしてるので自分のペースでがんばって下さいね！応援してます (2019年8月26日 21時) (レス) id: 58376c201f (このIDを非表示/違反報告)
おいら。(プロフ) - grayさん» ありがとうございます!!!これからもご愛顧のほどよろしくお願いします! (2019年8月26日 17時) (レス) id: bd7a0fa47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おいら。 | 作成日時：2019年8月19日 10時
