ワインと珈琲 ページ9
「お邪魔しまあす」
「おう」
酔いが醒めたのか中也は急にぼやっとするのを止め、私からコートを引ったくってソファに誘った。少々乱暴だが、まあ良い許そう。
「A、何か呑むか?」
「炭酸水」
「ねぇ」
「緑茶」
「ねぇ」
「…なら何が?」
「ワインか珈琲」
「珈琲」
「了解」
「ありがとう」
私は力を抜いてソファに沈んだ。
くそうめっちゃいいソファ。
「ほらよ。」
「わあい。ありがとう」
カタンという音を立てて置かれた、可愛らしい黒猫のプリントされた赤いマグカップ。
あーこれ私が去年中也にあげたやつ。
「可愛いの持ってるわね」
「手前がくれたんだろ」
「ふふ。これ色違いを姐さんにあげたのよ」
「ああ見たことある」
中也はワインセラーから一本選び、満足げに私の隣に腰掛ける。軽くグラスを揺すって香りを楽しんで。
私はそんな中也をじっと見つめる。ワインについてのあれやこれやはよく知らないが、兎に角彼にとっては至福の時間なのだ。
そんな時に横に居座る自分に疑問も抱くが、呼んだのは中也の方だと敢えて隣に声を掛ける。
「中也、天体観測しましょう」
至福を味わっていた中也がぎょっとして私を見る。
「…何言ってんだ、手前」
「だから、天体観測!きっと今夜綺麗よ」
「はァ?」
「いいからいいから。ほら、グラスも持ったままでいいわ」
立ち上がってぐいぐい腕を引っ張ると、根負けした中也は渋々従ってくれた。
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個人的に中也の家はめっちゃお洒落なマンションの最上階だと思ってます。
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ねこつりー(プロフ) - かれんさん» ふふふ中也は何させても様になりますからね( 〃▽〃) (2018年4月30日 12時) (レス) id: b59e44559a (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 中也かっこよすぎです。 (2018年4月30日 11時) (レス) id: 529a00cb8e (このIDを非表示/違反報告)
ねこつりー(プロフ) - rikoriko51さん» 丁度彼の誕生日だったのでギザな台詞を言って貰いました笑 コメントありがとうございます!凄く嬉しかったです(T^T) (2018年4月30日 7時) (レス) id: b59e44559a (このIDを非表示/違反報告)
rikoriko51(プロフ) - HappyBirthday中也! 更新頑張ってください!楽しみにしています。 (2018年4月29日 23時) (レス) id: a789258bf1 (このIDを非表示/違反報告)
かれん - 楽しみにしてます! (2018年4月28日 18時) (レス) id: 2c537c1151 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこつりー | 作成日時:2018年4月20日 22時