マフィアな私達の同居生活【中原中也】

御誘い ページ4

姐さんと暫く恒例の茶会をした後、久し振りに自分の執務室に戻った。

首領や幹部のものには勿論及ばないが、かなり高級でふかふかな執務椅子に腰掛ける。
優秀な部下のお陰で、部屋も綺麗に掃除されていた。



エリス嬢から頂いた私の似顔絵、カラフルなクレヨンで描かれた可愛らしい絵を暫く眺めていたら、コンコンと控え目なノック音。

「何方？」

「小峠です。中原幹部より言伝てを預かっております」

中也の部下の一人だ。声から間違いなく本人だと分かる。

「どうぞ」

「失礼します」

黒服にスキンヘッドの彼は入室して恭しく一礼した。見た目からはあまり想像できない洗練された所作だった。

「小峠さん、お久し振りね」

「この度も恙無く任務遂行されたとの事、お喜び申し上げます」

「ありがとう」

こう見えて、彼とは会えば世間話位はする仲だ。マフィアが世間話も可笑しいけれど。



「中原幹部より、先に呑んでいてくれとの事です」

「中也は任務中？」

「はい。A様がご帰還なされる少し前に出発なされました。故に私が。」

「彼、任務中は絶対私用なことは考えないものね。わざわざありがとう、小峠さん」

「いえ。では失礼します」

また洗練された一礼をして部屋を去る彼を見送って、エリス嬢作の似顔絵を壁に貼り、手っ取り早く何件か電話を掛け、書類に署名して、部下を呼んで書類を託す。



＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

まだでなーい…

行きつけレストラン→←ヨコハマギャング 2

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す