君と今日も明日も2 (ページ8)

今日:7 hit、昨日:32 hit、合計:17,222 hit

ルールページ8

40

暫くして着いた雄英高校。

ここは"もう一人のあたし"が襲撃した学校。

あたしは、この学校にとって招かれざる客だ。

あたしは悪くない。
覚えてない。
きっとそんな言い訳は通用しない。

なのに、なんで…。

「志村少女、お疲れ様。
　さぁ、ここが雄英高校だよ！」

とドアを開けてくれたオールマイト。

「雄英は明日から全寮制になる。
　志村には教師寮で過ごしてもらうが、まずいくつか
　ルールがある。
　それを、うちの校長から説明してもらう。
　さぁ、行くぞ！」

と説明して歩き出した相澤さん。

なんと言うか、淡々としている…。
事務的で無駄な説明が一切ない。

「すまないね。
　彼は合理主義で無駄な事を嫌うんだ。」

とオールマイトがフォローしてくれた。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

相澤さんが、校長室の扉をノックしてからドアを開ける。

「ようこそ、雄英高校へ！」

と言ってあたしを迎えてくれたのは、ネズミのような犬のような熊のような、白い…。

小動物…？

校長室の机には"根津"と名札が立っている。

「君が志村燈さん…だね！
　彼等から話は聞いているよ。
　君の事情についても、我々はできる限り協力してい
　くつもりなのさ。

　けど…我々はヒーローであり教師だ。
　生徒の安全だけは守らなくてはならない。
　そこで、いくつか決まり事を考えたのさ。」

と言う根津校長。

「はい。
　仰っている事は充分承知しています。
　
　あたし自身が覚えていなくても、生徒の皆さんは違
　います。
　"もう一人のあたし"に傷つけられて苦しんだ子もい
　るかもしれません。

　あたしも生徒の皆さんの安全を第一に守っていただ
　きたいです。
　だから、あたしがあたしである限り…ルールは必ず
　守ります！」

とあたしが答えると

「君は心根の優しい人のようだね。
　塚内警部が言っていた通り、君が嘘をついているよ
　うにはとても見えない。

　しかし、君の内に潜んでいる脅威を無視することは
　できない。
　そこで、君にはこのチョーカーを装着してもらいた
　いのさ！」

と根津校長はあたしに黒いチョーカーを手渡してから

「そのチョーカーは個性の使用を感知するようになっ
　ている。
　GPS機能も付いていて位置情報も把握できる。
　個性を使用したり雄英の範囲外に出ると、警戒音が
　鳴り通知されるシステムになっているのさ。」

と説明してくれた。