交渉 ページ33
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「そっちが何様だ？
ザコヤクザの使い捨て前提肉壁とこっちのオカマ。
その命は等価値じゃないぞ。
プラス腕一本分だ。
多少は譲歩してくれなきゃ割に合わない。」
と言う弔。
「クロノ、ミミック、下がれ。
折角前向きに検討してくれて来たんだ。
最後まで聞こう。
話の途中だった。」
とオーバーホールが言うと、大人しく2人は従った。
弔はスッとコートの内ポケットから小さな弾丸を取り出すと
「こいつが関係してんだろ？」
と言った。
「こいつを撃ち込まれた直後から、Mr.コンプレスは
個性が暫く使えなくなった。
何だ、これは？
これで何するつもりだ？
教えろ。」
と続けた弔に
「理を壊すんだ。
オール・フォー・ワンは個性を奪い、支配したと聞
く。
俺はそのやり方を少しブラッシュアップする。
既に根は全国に張り巡らせている。
少しずつ少しずつ…計画的に準備を進めている。」
とオーバーホールは答えた。
将棋盤と駒をせっせと並べる構成員を眺めながら
「将棋を指したことはないのか？」
と聞いてきたオーバーホールに
「やらん、片付けろ。
ルールも知らん。」
と答える弔。
「まぁ、そう言うな。
これを機に嗜むといい。
局面が見渡せるようになるぞ。」
とオーバーホールが言ったが
「ふーん。」
と弔は興味無さそうに答えた。
「将棋の面白いところは、相手から奪った駒を使える
ところにある。
黒霧か渡我、分倍河原と死柄木Aを八斎會に入
れる。
好きに動かれちゃ、こっちも不安だ。」
と言うオーバーホール。
オレが八斎會に？
そんなのこっちから願い下げだ。
まだ熱りだって冷めてない。
黒霧もトガもトゥワイスもウチの大事な仲間だ。
そう簡単に渡す訳にはいかない。
「便利な奴ばかり…。
動きは削ぐってか。
ウチの要だ、そいつらは！！
そんなにやれるか。
それに…Aは絶対駄目に決まってんだろ。」
と答えた弔に
「なら、死柄木Aはいい。
まずは信頼を築こう。
今はまだ遺恨を残している。
こっちは計画の全貌を差し出しただろう。
次はそっちの番だ。
君たちは仲間が大事なんだろう？」
とオーバーホールは返事をした。
ここまで話をしてオレたちは死穢八斎會の事務所を後にした。
帰りも30分の道のりを延々と歩かされて、帰宅した頃にはヘトヘトだった。
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作者名：九音 | 作成日時：2021年3月3日 23時
