君と今日も明日も2 (ページ23)

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危機との遭遇ページ23

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『100人！！
　終了です！
　これより、残念ながら脱落してしまった皆さんの撤
　収に移ります。』

と放送が入って第一次選考は終了した。

雄英のみんなは無事全員通過できたと、相澤さんが教えてくれた。

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『えー、100人の皆さん。
　これご覧下さい。』

暫くして最終選考が始まった。

会場の建物が爆破され、壊れて崩れていく。

『次の試験でラストになります！
　皆さんには、これからこの被災現場でバイスタンダ
　ーとして救助演習を行ってもらいます。

　ここでは一般市民としてではなく、仮免許を取得し
　た者としてどれだけ適切な救助を行えるか試させて
　頂きます。』

救助演習…。

けど、これは…。
まるであの日の神野を見ているようで…。

気持ちが悪い…。

「うっ…。」

とあたしが口に手を当てると

「志村！？
　どうした？」

と相澤さんが声をかけてくれた。

「ちょっと…。
　神野を思い出したら、気持ちが…悪くて…。」

と答えると

「そうか。
　少し目を瞑ってろ。」

と言って、あたしをヒョイと抱え上げた相澤さん。

暫くして、トイレへと到着した。

「俺はここで待ってる。
　何かあったらすぐに大声で呼べ！
　いいな？」

と言う相澤さん。

あたしはそれに頷いてトイレへと入った。

神野の悪夢…。

あたしが見た神野は、まさに悪夢という言葉が相応しい場所だった。

洗面所でゲホゲホと咳込む。

今になって震えが止まらない。

あたしが咳込んでいると誰かの手が背中を摩った。

鏡越しに目が合ったのは士傑高校の彼女だ…。

どうして彼女が…？
最終選考は？

あたしが声を発せずにいると、彼女は口を開いて

「Aくん、ヒーローは楽しいですか？
　弔くんを裏切ってヒーローごっこするのは…楽しい
　ですか？」

と聞いてきた。

"Aくん"
あたしをその名で呼ぶ人物。

身体が警笛を鳴らす。
彼女は敵だ…。

「あなた…もしかして敵連合の…？
　ねぇ、教えてっ！
　死柄木弔は、あたしの事どう思ってるの？」

あたしはやっとの思いで声を振り絞った。

気になっていた…。
"もう一人のあたし"を救けに来ない理由。

雄英高校のセキュリティが強固で近づけないから？

強力な後楯を失ったから？

違う。

…死柄木Aは必要ないから？

「それは…秘密です。」

と敵の彼女は口に弧を描いた。